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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
第26話
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で溜息を吐いたユーシスの言葉に反論が返せず唇を噛みしめた。
(う〜ん、この二人は相変わらずだな……)
二人の様子を見たリィンは疲れた表情で溜息を吐いた。
「ああいや……それより何の説明もなしにあんなものを見せてしまってすまない。君達がせっかく手に入れてくれたのに……」
「ちょっといいですか?さっき伯爵は正当な契約と言っていましたが……その辺りはどうなんでしょうか。」
「ああ、もちろん正当は正当だよ。でもね……このエレボニア帝国で暮らす以上、伯爵クラスの貴族に物申すことなんてとてもじゃないけどできやしない。帝都なんかでは、徐々に事情は変わってきているみたいだけど……オズボーン宰相の息が届きにくい地方の州では、これが実情なのさ。」
「やはり、そうですか……」
「……………」
暗い表情で説明した旅行者の様子をマキアスは重々しい様子を纏って見つめ、ユーシスは目を伏せて黙り込んでいた。
「とりあえず、指輪の方は……伯爵様から頂いたミラを頭金にして地元で用意することにしたんだ。君達には不快な思いをさせて本当に申し訳なかったね。それじゃあね……僕はそろそろ駅に向かうとするよ。」
そして旅行者はリィン達から離れて店を出て行き
「フフ、どんなドラマに巡り合えるかと見届けさせてもらったが……まるでくだらない喜劇だったな。」
その様子を見守っていたブルブランは苦笑していた。
(この人は……まだいたのか。)
(一体何の為にバリアハートに……)
ブルブランの声に気付いてリィン達と共にブルブランを見つめたツーヤは真剣な表情になっていた。
「そう言えば店員に聞いたんだが……君達は士官学院の生徒でこの街へは実習で来ているそうだね。老婆心ながら言わせてもらうが人生とは思うようにいかないからこそ面白く、そして美しいもの。先程の茶番は見るに耐えないが……しかしそれに苦悩し、もがき苦しむ君達は美しい。」
「何のことですか……」
「さて―――私もそろそろ次の美を探しに行かなければ。それでは、また会おう。」
そしてブルブランはリィン達に恭しく一礼をして店から出て行った。
「結局、あの人は何が言いたかったんだ……」
「えっとまあ、要するに『頑張れ』ってことじゃないですか。」
「フン、目的はよくわからんがな。」
ブルブランが去るとリィンは疲れた表情になり、戸惑いの表情のエマの言葉を聞いたユーシスは鼻を鳴らし
「しかし……一体、この依頼はどうなるんだ。」
「確かに………結婚指輪どころじゃなくなったね。」
「肝心の宝石が別の人に渡す契約を交わされた挙句、食べられちゃいましたからね……」
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