第35話
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「そうか……。いや、本当にご苦労だった。人質や積荷の移送を含め、後のことは我々に任せて欲しい。行くぞ、カノーネ大尉。」
「承知しましたわ。」
シェラザードとヨシュアの説明に頷いたリシャールはカノーネと共に兵を引き連れて砦内に入って行った。
「あ、ちょっと大佐!お前さんたちにもインタビューしたいんだが、今回ばかりはあっちが優先だ。機会があれば、よろしく頼むぜ!」
「まったね〜!エステルちゃん、ヨシュア君。」
去って行くリシャールを見て慌ててナイアルとドロシーが追って行った。
「いやはや、美味しいところを根こそぎ持っていかれた気分だね。」
「うーん、確かに……せっかくマーリオン達が頑張ってくれたのに……」
リシャール達が去った後呟いたオリビエに同意するようにエステルは残念そうな表情で頷いた。
「フフ、いいじゃないの。遊撃士の本分は縁の下の力持ちというもの。無用に目立っても仕方ないわ。それに彼らもきっとわかってくれるわ。」
残念そうな表情をしているエステルにシェラザードは本来のやるべきことは達成したと慰めた。
「確かにそうですね。父さんも、そのあたりには気を配っていたみたいですし。」
「あれ、そうだったっけ?………………………………ああっ、父さん!」
「うん……その問題を考えなくちゃね。父さんが今、どこにいて何をしているのか……どうして連絡をくれないのか。」
「うん……」
未だ消息がわからにカシウスの事を思い出し、エステルとヨシュアは俯いた。
「ここで、私達が出来ることはもう無さそうね。とりあえず、プリネさん達と合流してボースに戻って事件の報告をしておきましょう。先生の事を考えるのはそれからよ。」
その後王国軍兵士を見て、安心したプリネ達は後をリシャール達に任せた後エステル達のところに戻って来て合流し、エステル達はボース市に戻って行った。また、サエラブはいつの間にか姿を消していた。
こうして『定期船消失事件』はいくつかの謎を残して幕を閉じた…………
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