第35話
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「そ、そりゃあもちろん!連れてきてくれて、ほんっとーに感謝してますよ!あっ、ついでですから大佐も撮らせてもらえませんかねぇ?」
「ふむ……閣下、よろしいですか?」
頭を下げながらするナイアルの要求に答えるため、リシャールは上官であるモルガンに許可を聞いた。
「勝手にするがいい。今回の作戦はお前の立案だ。正直、大した手並みだったぞ。」
「いや、情報部のスタッフの分析が正確だったからです。それと、そこにいる諸君の協力のたまものでしょうね。」
「なに……?」
リシャールに言われたモルガンはエステル達に気付き、信じられない表情をした。
「ゆ、遊撃士ども!?なぜ貴様らがここにいる!?」
「念のため言っておくけど、また一足先に潜入していたの。このアジトもすでに制圧済みよ。」
「逃げた空賊の首領たちをここまで追ってきたんですが……。まさか王国軍の警備艇が来ているとは思いませんでした。」
怒鳴りながら尋ねたモルガンにシェラザードとヨシュアは落ち着いて説明した。
「ぐぬぬぬ……また出過ぎたマネをしおって。……ハッ!ま、まさか!あの方達もここにいるのか!?」
(ん?あの方達……?一体誰だ??)
エステル達が先に空賊団のアジトを見つけたことに悔しがったモルガンだったが、エステル達に同行しているはずのリフィア達の事も思い出し、顔を青褪めさせた。
ナイアルはそれがわからず、心の中でモルガンが慌てているほどの人物達が何者か考えた。
「お言葉ですが、閣下。彼らがいたから、我々の突入もここまで上手くいったのです。その功績は認めるべきかと。それにみだりにあの方達の事を口にしていただくのは困ります。あちらはあちらで恐らくこちらに気を使ってこの場にいないのでしょうし。」
「……くっ。まあよい。後の指揮はおぬしに任せる。わしは一足先に船に戻って空賊どもを締め上げてくるわ。………くれぐれもあの方達に失礼のないようにな。」
「承知しました。」
リシャールの正論と注意にモルガンは唸った後、その場から引き上げて言った。
「相変わらず頑固オヤジね〜。」
「悪い人ではないのだがね。いささか柔軟性には欠けるな。ところで、他の空賊たちと人質の方々はどこにいるんだね?」
去って行くモルガンの後ろ姿を見て溜息をついたエステルに、リシャールは同意した後尋ねた。
「他の手下たちはそこらで転がっているはずよ。人質たちには、監禁されていた部屋で待機してもらっているわ。……ちなみに私達に同行者がいるんだけどその人達に人質達の身を守ってもらっているわ。」
「後、大きな狐が砦内にいると思いますが僕達の味方なので手は出さないで下さい。」
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