異伝〜改変の運命の鼓動〜(FC篇完結)
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で何をしていたのかも………」
「え?もしかして……記憶がないのですか?」
黒髪のメイドの答えを聞いた女性は目を丸くした後、驚きの表情で尋ねた。
「はい……かろうじて自分の名前だけは覚えていますけど……今までどこで、何をしていたのか、全く思い出せないんです………」
「そう……………」
不安そうな表情になっている黒髪のメイドを女性は黙って見続け
「―――貴女、名前は?」
やがてある事を思いつき、メイドの名前を聞いた。
「え?マリアン・フュステルですけど………」
「マリアン、ね。私から一つ提案があるのだけどいいかしら?」
「提案、ですか?」
「ええ。記憶が戻るまでの間でもいいから私の屋敷で住み込みで働かないかしら?その服装からすると、貴女は誰かに仕えていたメイドのようだし……リラの補佐にちょうどいいかもしれないわ。ええ、そうしましょう!これでリラの負担も少しは減るわね!」
「え?え??あ、あの……どうして見ず知らずの私を雇って下さるのですか?」
自分の今後を勝手に決めている女性の行動に戸惑ったメイドは不思議そうな表情で尋ねた。
「ボース市長として、貴女の今の状況を見過ごせないからですわ。―――これからよろしくね、マリアン。」
こうして黒髪のメイド――――マリアン・フュステルはボース市長メイベルに雇われ、市長邸で働く事となった。
現在――――
〜七耀教会、星杯騎士団所属、特殊作戦艇”メルカパ”漆号機〜
「ヨシュア……レーヴェ…………………………」
ヨシュアが姿を消した翌日の朝、”星杯騎士団”の中でもある地位についている者達のみしか所有する事が許される特殊飛行艇―――”メルカパ”。本来なら”星杯騎士”達のみしか乗船していないはずの飛行艇の中にいる一般人らしき女性――――夜空のような美しい黒髪を腰までなびかせ、琥珀の瞳を持つ女性は甲板に出て、悲しそうな表情で朝日が昇りかけている外の景色を見つめていたが、やがて手に持っていた仮面を顔につけて飛行艇の中に入って行った。
―――――――――空は蒼く――――――――――――
―――――――――全てを呑みこんで――――――――――――
―――――――――それでも運命の歯車は止まらない――――――――――――
――――――愛する少女にハーモニカを託した少年は独り姿を消した―――――
――――少女は少年を連れ戻す旅を決意し、少女の義兄や義妹も少女の力にな
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