外伝〜去りゆく決意〜
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眠気が突如エステルを襲い、眠気に耐えられなくなったエステルは地面に崩れ落ちるように膝をついた。
「ど……どうして……?……何でそんなものを……!」
「僕のエステル……お日様みたいに眩しかった君。君と一緒にいて幸せだったけど、同時に、とても苦しかった……。明るい光が濃い影を作るように……。君と一緒にいればいるほど僕は、自分の忌まわしい本性を思い知らされるようになったから……。だから、出会わなければよかったと思ったこともあった。」
「……そんな……」
ヨシュアの言葉に強力な眠気で虚ろな瞳になりつつあるエステルは悲痛な声をあげた。
「でも、今は違う。君に出会えたことに感謝している。こんな風に、大切な女の子から逃げ出す事しかできないけど僕だけど……。誰よりも君のことを想っている。」
「……ヨシュア……ヨシュア……」
エステルは眠気が襲ってくる中、ヨシュアを引き留めるために何度もヨシュアを呼び続けたが。
「今まで、本当にありがとう。出会った時から……君のことが大好きだったよ。―――さよなら、エステル。」
ヨシュアの決別の言葉を聞くと同時にエステルは眠りに落ちてしまい、その後眠りに落ちたエステルをヨシュアは抱き上げてエステル達が泊まっている客室へと運び始めると廊下でルークと出会った。
「…………兄さん………」
「ん?ヨシュアか。そう言えばエステルがお前を探していたぞ…………って!おいおい、エステル、一体どうしちまったんだ!?」
「うん。昼にはしゃぎすぎて疲れたのかな?いっしょにお茶を飲んでいたらいつの間にか眠っていたんだ。」
「ったく、念願の正遊撃士になったっていうのにしょうがねえな………」
ヨシュアから事情を聞いたルークは呆れた様子で溜息を吐いた。
「あはは……まあ、今日限りはいいんじゃないかな?………兄さん、エステルを部屋まで連れて行ってもらってもいいかな?」
「ん?ああ。」
そしてルークはヨシュアからエステルを受け取り、背中に背負った。
「じゃあ、後は頼むね。」
「お前はどうするんだ?」
「ちょっと、王都を見回ってくるよ。何かあったら大変だしね。」
ルークの疑問にヨシュアは自分の決意を決して見せないかのようにいつもの様子で答えた。
「相変わらずだな、その性格は………見回りをするのは良い事だが、明日からまた忙しくなるんだ。ほどほどにして明日に備えて休んでおけよ?」
「うん………肝に銘じておくよ………」
「ヨシュア……?お前、なんか雰囲気が変わってないか?」
するとその時ヨシュアの様子に弱冠違和感を感じたルークは真剣な表情で聞いた。
「正遊
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