外伝〜女王生誕祭、そして――〜
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「わああああああっ!今のナシ!忘れてっ!」
自分の失言に気付いたエステルは大きな声を出して、先ほどの言葉を取り消すようヨシュアに言った。
「エステル、それって……」
「し、しっかし今日はホントに暑いわよねっ!?暑いときにはアイスが一番!おごってあげるからちょっとここで待っててっ!」
ヨシュアの返事も聞かず、エステルは適当な言い訳をした後、何も考えずアイス売り場とは逆方向に走り去った。
「あ……。アイス売り場はそっちじゃないと思うんだけど……。………………………………。もしかして……エステル……。いや…………そんなわけないよな……」
ヨシュアは言っていることと違う方向に走り去ったエステルを見て呟いた後、エステルがさっき、自分に何を言おうとしたのかを考え、あることに思い当たったがすぐにその考えを打ち消した。そしてエステルと入れ替わるかのようにある人物がヨシュアに近づいて来た。
「いやぁ。若い人はうらやましいですね。」
ヨシュアに近づいてきた人物とは2人の旅で各地で出会った考古学者――アルバ教授だった。
「アルバ教授……」
「やあ、しばらくぶりですね。最近、色々と騒がしかったですが平和が戻って本当によかった。やはり人間、平穏無事に暮らすのが一番ですね。」
「………………………………」
和やかに話しかけてくるアルバ教授をヨシュアは警戒の表情で睨んでいた。
「おや、どうしました?顔色が優れないようですが……。正遊撃士になれたのだから、もっと晴れやかな顔をしなくては。そうだ、私からもお祝いをさせて頂きましょうか。あまり高いものは贈れませんけど。」
一方ヨシュアの様子に気付いたアルバ教授は不思議そうな表情で尋ね
「最初に会った時から……強烈な違和感がありました……。今では少し慣れましたけど……。あなたを見ていると何故か震えが止まらなかった……」
「ほう……?」
ヨシュアの説明を聞き、目を丸くした。
「そして……各地で起きた事件……記憶を消されてしまった人たち……。あなたは調査と称して……事件が起こった地方に必ずいた……。そう……タイミングが良すぎるほどに……」
「………………………………」
「決定的だったなのは……クルツさんの反応です……。記憶を奪われたクルツさん……。あの人も、アリーナの観客席で気分が悪そうにしていた……。そして……あなたも同じ場所にいた……」
「………………………………」
「アルバ教授……。あなた……だったんですね?」
アルバ教授は自分に懸けられた疑いを晴らすこともなく、ヨシュアの話に耳を傾け、そして語り終えたヨシュアはベンチから離れ、アルバの正面に立って睨んだ
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