外伝〜女王生誕祭、そして――〜
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世話になった先輩遊撃士や友人、ラッセル一家ににお礼の挨拶回りをした後、休憩するために東街区の休憩所に向かった。
〜王都グランセル 東街区〜
「さてと、休憩所に着いたね。色々回ったから、そろそろ休憩にしようか?」
「うん、そうしよっか。」
2人は傍にあったベンチに座り、一息ついた。
「しばらくここで休もうか。とりあえず、王都で騒ぎが起きそうな気配はなかったね。」
「ハァ……あっきれた。そんな心配してたんだ。今日くらい、事件の後始末は父さんたちに任せとけばいーのよ。遅れて来たんだからそれくらい当然の義務だってば。」
せっかくの生誕祭を満喫せず、遊撃士として周囲の警戒をしていたヨシュアにエステルは呆れて溜息を吐いた。
「はは、そうなんだけどね。何となく性分っていうか……」
「はあ、仕方ないわねぇ。それにしても……あたしたちも正遊撃士かぁ。」
相変わらずのヨシュアの性格にエステルは苦笑した後、ついに長年の夢だった正遊撃士になれたことに感慨にひたった。
「これからは支部の監督を受けずに自由に行動できるようになる。ただその分、責任も増えるんだけどね。」
「うん、でもまあ何とかやっていけるわよね。今回だって、クーデターは阻止することができたんだし。もう、父さんに『ヨシュアがいないと心配だ』なんて言わせないんだから!」
「はは……さすがにもう言わないと思うよ。でも僕は、これからも君と一緒にいたいと思ってるけどね。」
正遊撃士になって、もう一人前のつもりでいるエステルにヨシュアは苦笑しつつ、女性を自分に惚れさせるような殺し文句をさらりと言った。
「……え……。………………………………。ええええええええっ!?」
「あれ、迷惑だったかな?」
ヨシュアの言葉を聞いてエステルは一瞬呆けた後、顔を赤くして驚いて叫んだ。そしてエステルの叫びを聞いたヨシュアは以外そうな表情でエステルを見た。
「いや、迷惑っていうか……。一緒にいたいって……それって……どういう……?」
エステルは目線をヨシュアに合わせず、恥ずかしがりながらヨシュアに真意を聞いた。
「そりゃあ、気心は知れてるし、お互いのクセは判っているからね。このままコンビを組んだ方がいいと思ったんだけど……」
「あ……遊撃士の仕事のことか……。なーんだ、てっきりあたし、逆に告白されちゃったのかと……」
ヨシュアが考えていることは自分の考えていることと思い違いであることに気付いたエステルは、安心してふと口から自分がこれからしようとしている言葉を口にした。
「えっ……」
すると今度はエステルの呟きを聞いてしまったヨシュアが驚いた。
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