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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
第16話
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「……な、なんだ。」

黙り込んでいるリィン達の様子を隊長が戸惑いの表情で見つめたその時

「……どうしてそんなことを詳しく知っているんですか?この事件については領邦軍はろくに調査していないはずですよね……?」

エリオットが真剣な表情で質問した。



「ふむ、腑に落ちぬな。我々も先刻の聞き込みで知ったばかりの事なのだが?」

「!……た、隊長……!」

(フフ、まんまと引っかかるなんて、やっぱり雑魚ね♪)

自分達の失言に気付いた兵士の一人が慌てた様子で隊長を見つめ、慌てている様子の領邦軍を見たベルフェゴールは口元に笑みを浮かべ

「わ……我々も我々で、独自の情報網を持っているということだ!――さあ、話は終わりだ!これで失礼する!」

隊長は慌てた様子で話を無理やり終わらせ、詰所の中に戻って行き、リィン達は詰所から離れて話し合いを始めた。



「……ねえ、さっきの話って……」

「領邦軍が、被害者についてある程度の調べを進めていた……そういうことだろうな。だが、事件は昨日の夜発生し、発覚したのは今朝……とてもじゃないけど、領邦軍に調べる時間なんてなかったはずだ。」

「おそらく、昨日今日で調べたものではあるまい。領邦軍の主たる公爵家には、商人たちの商売の許可証が出されていたが……」

「……その筋から得られた情報だと考えれば辻褄が合いそうね。となると、今度はどうしてそんな情報を得ていたかが気になってくるわね……」

「……下準備のため、だったのかもしれないね。」

「下準備……」

(そういう事ね………これは下手をしたら”あの権限”を早速使う事になるかもしれないわね……)

エリオットの言葉を聞いたリィンはアリサ達と共にエリオットに注目し、既にある事を察していたプリネは真剣な表情で考え込んでいた。



「多分、あの事件は少し前から計画されていたんだよ。商人たちの商売許可証に同じ場所が書かれていたのも、やっぱり、偶然じゃない。彼らをいがみ合わせる上で、そのほとぼりが冷めないうちにさらに事件を起こす……そうして、領邦軍なしではどうにもならない状況まで騒ぎを悪化させたんだ。」

「なるほど……要するにあの商人たちは利用されていたわけか。現に、店を失った二人は元締めでも止められないほどヒートアップしていたし……」

「だが領邦軍が大市のトラブルにまともに取り合うことはない。――――”増税取り消しへの陳情”が取り下げられない限りはな。」

「あのタイミングで現れ、強引にでも事態を収束することで領邦軍の存在をアピールした……そうやって、大市の人達に陳情を取り下げさせざるを得ない状況を作ろうとしたのね。」


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