第26話
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た良さそうな一本を拝借したんだ………『グラン=シャリネ』1183年物。」
「『グラン=シャリネ』……しかも1183年物ですって!?王都のオークションに出た幻のワインじゃない!」
オリビエが飲んだワインの名を聞いたシェラザードは驚いて叫んだ。
「ほう、シェラ君はなかなか詳しいみたいだね。ボクも噂を聞いて、かねてから飲んでみたいと思っていたのさ。」
「オ、オークションって……どのくらい値段がついたの?」
シェラザードの言葉を聞いたオリビエは感心し、エステルは恐る恐る値段を聞いた。その答えをシェラザードが答えた。
「聞いた話じゃ……50万ミラで落札されたそうよ。」
「ご、50万ミラ〜!?たかがワイン一本に!?」
「とんでもない世界だね……。オリビエさん。まさかそのワインを……」
値段を知ったエステルは驚き、ヨシュアも驚いた後、嫌な予感がしたヨシュアはそれを遠回しに聞いた。
「フッ、言うまでもない。美味しく頂かせてもらったよ。……鼻腔をくすぐる馥郁たる香り。喉元を愛撫する芳醇な味わい……ねえキミたち、信じられるかい?薔薇色に輝く時間と空間が確かにそこには存在したんだ……」
「……ダメだこりゃ………」
「……やっぱり疲れたね………」
「……呆れてモノも言えない………」
得意げに語り続けるオリビエに3人は聞く必要はなかったと後悔し、未だ語り続けるオリビエを無視して眠りについた。
「……それで……なんと……………これがまた……………」
エステル達の様子に気がつかないオリビエは1人喋り続けて高らかに言った。
「以上が、ボクをここに送った涙なしでは語れぬ悲劇的事情さ………さあ!思う存分同情してくれたまえっ!!」
「……くーくー………」
「……すーすー………」
「……うン……バカ………」
しかしすでにエステル達は眠りにつき、オリビエの言葉は空しく牢屋に響いた。
「…………おや?ちょっとキミたち……。その『くー』とか『すー』とか『うン、バカ』というのはなんだね?いいかい?話はここから面白くなるのだよ?ここに連れてこられてからも更なる試練がボクを待ち受けて……………………………………もしもーし?ちょっと聞いてますかー?」
エステル達の様子がおかしいと気付いたオリビエは呼びかけたが返事はなかった。そして一夜が明けた。
〜ハーケン門・兵舎内の牢・早朝〜
「おーい!あんたたち、起きてくれ。」
「うーん……ふわわ……。んー、眠いぃ〜……」
「……どうしたんですか?」
「あふ……こんな朝早くから尋問なの?さすがに勘
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