第21話
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〜深夜・エルベ離宮〜
「本当に……申しわけありませんでした。私が不甲斐なかったばかりにこのような苦労をおかけして……。出来ることなら、至らぬ我が身をこの手で引き裂いてやりたかった……」
ユリア中尉はドレス姿のクローディア姫――――クローゼ・リンツに申し訳なさそうな表情で謝罪し
「そんなこと言わないでください。お互い、こうして無事に再会できただけでも嬉しいです。助けにきてくれて……本当にありがとうございました。」
ユリア中尉の働きを称するかのようにクローゼは微笑みながら答えた。
「殿下……」
「えっと、感動してるところをちょっと悪いんですけど……。なんでジークがここにいるの?」
「ピュイ?」
エステルの疑問を聞いたユリア中尉の肩に止まっている白隼―――ジークは首を傾げた。
「はは、ジークは殿下の護衛であると同時に、親衛隊の伝令係でもあるんだ。君たちのホテルにも手紙を届かせただろう?」
「あ……あの夜の!」
「やっぱりそうだったんですか。それでは、女王陛下の依頼をユリアさんが知っていたのも……」
「ああ、女王宮の陛下から直接、ジークを介して教えていただいた。だが、殿下がいたあの広間にはジークの侵入できる窓が無くてね。連絡できなくて本当に心配したよ。」
「へ〜、じゃあその鳥は伝書鳩役なのか。」
「うふふ、お兄様、この場合は”伝書隼”って言うべきでしょう?」
「前の職場に一羽でもいたら、滅茶苦茶便利だったろうな……」
ジークの説明を聞いていたルークは目を丸くし、レンは小悪魔な笑みを浮かべて羨望の眼差しのフレンと共にジークを見つめ
「うむ。賢く育てられているな。」
「それにその子から、その人とクローディア姫が”大好き”って気持ちが伝わってきます。」
バダックは感心した様子でジークを見つめ、アリエッタは微笑ましそうにジークを見つめた。
「ピュイ!」
そしてアリエッタの言葉に反応するかのようにジークは嬉しそうな表情で鳴き声を上げ
「ふふ、『ありがとう』って言ってます。」
ジークの感情を読み取ったかのようにクローゼはアリエッタに微笑んだ。
「そういえば気になっていたんだけど……その人って、誰?」
「見た所、七耀教会のシスターのようですが………」
アリエッタの素性がわからないエステルは首を傾げ、ヨシュアは不思議そうな表情で尋ねた。
「―――アリエッタ・タトリン。”星杯騎士”、です。」
「ふえ??」
「せ、”星杯騎士”……?」
「えっ!貴女があの”星杯騎士団”に所属する七耀教会の騎士なのですか……!?」
アリエッタが名乗るとはエステル
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