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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
第14話
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トは首を傾げ、ある事情をすぐに察したプリネは真剣な表情で黙り込んでいた。



「その、反対なんかはされなかったんですか?」

そして普通なら反論していると思ったアリサがオットーに尋ねた。

「当然、バリアハートにある公爵家には何度も陳情に出かけた。じゃが一向に取り合ってもらえず、門前払いといった感じでな。その状況が二月ほど続いておるのじゃよ。」

「………………………」

(なるほど……そういう事ね。)

オットーの説明を聞き終えたラウラとプリネはそれぞれ厳しい表情で黙り込み

「そうなると、許可証の手違いも何か理由がありそうだな……」

リィンは真剣な表情で考え込んだ。

「そ、それって……」

「ずさんな手続きの処理……もしくは意図的な嫌がらせね。」

(私の大嫌いなタイプね。いつの時代もそういう人間が多いから、従う方は大変ね。)

リィンが呟いた言葉から何かを察したエリオットは不安そうな表情をし、ある推測が出たアリサは真剣な表情で呟き、リィンの身体の中にいるベルフェゴールはつまらなそうな表情をしていた。



「……まあ、さすがに決めつけるのも良くないが。ただ、先程の騒ぎにしても以前なら詰所の兵士達が仲裁に駆けつけに来ていた。」

「あ――――」

「―――帝国を守る正規軍とは違い、領邦軍は各地を維持するのが役目。本来ならば仲裁するのが普通だろう。」

「うむ……どうやら増税の陳情を取り消さぬ限り、大市には不干渉を貫くつもりらしい。そのようなことを詰所の隊長殿から仄めかされたばかりでな。」

「そんな………」

「ということは領邦軍の不干渉の件も”アルバレア公爵家”の命令によるものでしょうね……」

弱味を盾にする領邦軍の非道なやり方にアリサは信じられない表情をし、プリネは若干怒りの表情を見せながら呟き

「…………………」

リィンは何も言わず黙り込んでいた。



「いや、余計なことまで話してしまったようじゃな。―――これはワシら商人の問題じゃ。客人が気にすることではない。お前さんたちはお前さん達の実習に集中すべきじゃろう。明日の朝も、今日と同じく幾つかの依頼を用意しておるしな。」

「なるほど………そういう段取りでしたか。」

「一日ごとに実習課題の依頼が用意されているんですね?」

「うむ、それなりに面倒な仕事をやってもらおうと思っている。よろしくお願いしてもよいかの?」

「はい、任せて下さい。」

「出来る限りの事はしてみせます。」

「……誠心誠意、務めさせていただこう。」

そしてリィン達はオットーにお茶のお礼を言った後家を出た。

「……なんだか理不尽だよね。
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