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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
外伝〜風の精霊との契約〜
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王”へと昇格する以前の私と同じ――――”精霊王女”ですわ。)
(”精霊王女”………しかも”領域”を管理しているという事は相当の力を持っているわね。)
(ええ。あの者がその気になれば天候を嵐へと変える事もできますし、大地の精霊に呼びかけて地震を起こす事も可能ですわ。加えてあの者は人間達が自然を破壊し続ける事で今後自然がなくなって行く事に危機感を抱いていて、確か人間を嫌っているはずですわ。)
(え。ちょっと待って。その”リスレドネー”にいるミルモがこのゼムリアにいるという事はその”精霊王女リザイラ”も……!)
(ええ、ミルモの話ではこの国の近くにある自然に溢れた土地の辺りに自らの領域を同化させて、自然を破壊し続ける人間族の国―――つまりこの国の侵攻に備えて、その時を待っているそうですわ。)
(!?かなり不味い状態じゃない!詳しい場所は聞けなかったの!?)
フィニリィの口から出た想定外の話にプリネは血相を変えて尋ねた。
(さすがに詳しい場所の地名などは人間族の国に詳しくない精霊であるミルモにはわかりませんわ。ですがミルモの話ではリザイラは自分の領域を同化させている土地に住む者達に関しては見逃すと言っていたそうですわ。何でもその者達は自然の恵みに感謝し、自然と共に生きる者達だそうですから。その土地について心当たりはないのですか?)
((自然の恵みに感謝し、自然と共に生きる人間族で、しかもエレボニア帝国付近………一体どこの事かしら?)それでフィニリィ。精霊王女リザイラはいつ頃、このエレボニア帝国に侵攻するのかは聞いていないの?)
(その事に関してはミルモ自身も知らないそうですが………リザイラの様子やリザイラ自身の口がした言葉からしてそう遠くない未来だそうですわ。まあ、精霊にとっての時間間隔は人間と比べると非常に長いですから、最低でも数十年後ぐらいの話だと思いますが……)
(そう………(エレボニア帝国自身の事だから私は干渉できないし、第一そんな夢物語のような話、話してもオリヴァルト皇子やミュラー少佐以外は誰も信じないでしょうね………お父様に事情をお話して、せめてオリヴァルト皇子の耳に入るようにはしておく事……それが私のできる唯一の事ね。後は今後の『特別実習』に向かう地方で運よくリザイラ様とお会いして、何とか説得できればいいのだけど……))
フィニリィの説明を聞いたプリネは真剣な表情で考え込んでいたが
「プリネ?どうしたの?そんなに難しい顔をして。」
「いえ、何でもありません。」
アリサに話しかけられ、すぐに気を取り直してリィン達と共に町に戻って行った。
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