少年は加速するようです Round4
[5/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
吐き出した。俺もいい加減心の中でツッコむのも疲れたので置いておこう。
「……やれやれ、嫌なんですよね。こんな本気っぽい真似するの。必殺技の発声だって
したくないってのに……でも、まぁ仕方ないですよね……。」
そう言ったダスク・テイカーが両手を使い三角形を作る。気功砲でも撃つのかと思ったが、
続いて出たのは呪詛の言葉。
「―――トル。エル。ツカム。ケズル。ウバウ。ウバウ、ウバウウバウ、ウ、バ、ウ……!」
―――ィィィィイイイイイイイイイイン!
初めに甲高い震動音が生まれ、直ぐに金属質の高周波に変わる。そして両手がどす黒い紫の波動に
包まれて行き、周囲にスパークが奔る。必殺技かと思われたが、ゲージが減らない事からその
可能性は排除される。
「た、タク!俺の事はもういい、今すぐ倒せ!!」
「――≪ライトニング・シアン・スパイク≫!!」
ジャゥッ!
ハルっちの必死の叫びに応じ、必殺技が放たれる。今度はシアン・パイルの溜まっていた
ゲージが減少し、同時に杭打機が火を噴き杭がダスク・テイカーを襲う。
初手の正拳を超える速度で近距離から放たれたそれは、避けも防げも出来ない筈だった。
ビシッ
「………………な……。」
しかし、ダスク・テイカーは紫の波動に包まれた二本の指だけでそれを止めた。
そしてタッくんの絶句と共に、光の杭はブラックホールの様な波動に飲み込まれ消えた。
・・・成程、あれが"心意システム"と呼ばれる裏技か。確か攻撃・装甲・移動・射程の四つを
強化する、ある意味では真の必殺技。と言う事は今のは攻撃威力拡張になるのか?
と、いつもなら嘲りの一言でも言う能美が静かな事に気付いたと同時、無言のまま突撃。
近距離では掻き消えたと見紛うであろう速度で大型アバターに接近すると、鉤爪のように曲げた
右手で、空間ごと抉れろばかりに大振りに薙ぐ。
「ぐっ……!?」
相手の急激な超強化に衝撃を受けているだろうが、攻撃を見て流石の反射神経でギリギリで
バックステップして直撃は避けたが、胸部のアーマーは敵の細腕では有り得ない膂力を持って
深々と爪痕を付けられる。攻撃威力拡張と言うよりは、アバターの特性をより前に出し、攻撃と
して使っている感じだ。
その防御不能かつ防御力無視の攻撃を前に臆する事無く、シアン・パイルは即座に反撃に移る。
攻撃を半分避けられた分、僅かに態勢を崩した細い脇腹にボディブロー気味に杭打機を突き付け、
そのまま射出する。しかし、サイドブースターでも使ったかの様に横にブレたダスク・テイカーに
簡単に避けられる。そして突き出た杭は根元を掴まれると、毒液に漬
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ