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少年は旅行をするようです
少年は加速するようです Round4
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吐き出した。俺もいい加減心の中でツッコむのも疲れたので置いておこう。


「……やれやれ、嫌なんですよね。こんな本気っぽい真似するの。必殺技の発声だって

したくないってのに……でも、まぁ仕方ないですよね……。」


そう言ったダスク・テイカーが両手を使い三角形を作る。気功砲でも撃つのかと思ったが、

続いて出たのは呪詛の言葉。


「―――トル。エル。ツカム。ケズル。ウバウ。ウバウ、ウバウウバウ、ウ、バ、ウ……!」
―――ィィィィイイイイイイイイイイン!

初めに甲高い震動音が生まれ、直ぐに金属質の高周波に変わる。そして両手がどす黒い紫の波動に

包まれて行き、周囲にスパークが奔る。必殺技かと思われたが、ゲージが減らない事からその

可能性は排除される。


「た、タク!俺の事はもういい、今すぐ倒せ!!」

「――≪ライトニング・シアン・スパイク≫!!」
ジャゥッ!

ハルっちの必死の叫びに応じ、必殺技が放たれる。今度はシアン・パイルの溜まっていた

ゲージが減少し、同時に杭打機が火を噴き杭がダスク・テイカーを襲う。

初手の正拳を超える速度で近距離から放たれたそれは、避けも防げも出来ない筈だった。

ビシッ
「………………な……。」


しかし、ダスク・テイカーは紫の波動に包まれた二本の指だけでそれを止めた。

そしてタッくんの絶句と共に、光の杭はブラックホールの様な波動に飲み込まれ消えた。

・・・成程、あれが"心意システム"と呼ばれる裏技か。確か攻撃・装甲・移動・射程の四つを

強化する、ある意味では真の必殺技。と言う事は今のは攻撃威力拡張になるのか?

と、いつもなら嘲りの一言でも言う能美が静かな事に気付いたと同時、無言のまま突撃。

近距離では掻き消えたと見紛うであろう速度で大型アバターに接近すると、鉤爪のように曲げた

右手で、空間ごと抉れろばかりに大振りに薙ぐ。


「ぐっ……!?」


相手の急激な超強化に衝撃を受けているだろうが、攻撃を見て流石の反射神経でギリギリで

バックステップして直撃は避けたが、胸部のアーマーは敵の細腕では有り得ない膂力を持って

深々と爪痕を付けられる。攻撃威力拡張と言うよりは、アバターの特性をより前に出し、攻撃と

して使っている感じだ。

その防御不能かつ防御力無視の攻撃を前に臆する事無く、シアン・パイルは即座に反撃に移る。

攻撃を半分避けられた分、僅かに態勢を崩した細い脇腹にボディブロー気味に杭打機を突き付け、

そのまま射出する。しかし、サイドブースターでも使ったかの様に横にブレたダスク・テイカーに

簡単に避けられる。そして突き出た杭は根元を掴まれると、毒液に漬
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