少年は加速するようです Round4
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、
敵を排除し奪う"ダスク・テイカー"に成り代わる。
「まぁいいです。こんな事で僕の現実時間をコンマ1秒でも無駄に出来ません。
とっとと終わらせましょう、あなたのバーストポイントを頂いてね。」
「……い、いいや、僕こそお前が手に入れた物を返して貰うぞ能美。僕の親友から奪った物を!」
戦闘モードに切り替わった相手を見てタッくんも顔を――勿論ないが――引き締め、構えを取る。
空気が張り詰める中、ハルっちは自分が"翼"を奪われた事を親友に知られていた事に驚き、声援も
送るのも忘れ固まっていたが、丸いヘルメットをバシンと叩くと、気合を入れ直し叫んだ。
「勝て、タク!俺の為じゃなく、お前の力を分からせてやる為に!!」
「勝つさ。君の翼を取り戻す為にね、ハル!」
「あーあ……嫌なモノ見せないでくださいよ……。」
・・・そのやり取りに、心底ノワールが居なくて良かったと安心する。もし居たのなら吐血と鼻血で
ぶっ倒れていた事だろう。・・・あれ、観戦って距離的制限あるんだっけ?単に登録してないだけ?
いや、ならヒメちゃんは居るハズ・・・ってあぁ、学校だから外から来れないのか。
どうも細かい設定には『答えを出す者』が上手く働かない事が多いし、設定をし直すか、と考え事を
していたら、ハルっちが何事か叫んだのとほぼ同時に、重厚なアバターが見合わぬ速度で突撃する。
巨体に有り得ない速度を可能にしているのは右手のパイルドライバーだ。
「ラァッ!!」
ゴッ!
突撃の速度をそのままに繰り出された正拳は霞む程のスピードで、虚をつかれたのか一瞬動きの
遅れたダスク・テイカーの顔面に迫る。回避を諦め腕をクロスさせガードを取るが、重量級の
シアン・パイルは構わず、その上から打ち抜かんばかりに叩き付ける。
ガカァァン!!
「ぐぅっ!」
ガードごと吹き飛ばされた小柄なアバターは空中で回転・制動し、左腕の触手を伸ばして地面から
生えた隆起を掴み、建物への突撃を避け着地。片膝をついた状態で右手のボルトクリッパーを
突き出し、シアン・パイルを牽制する。今の一瞬の攻防だけでも・・・何と言うか。
「……なってないなぁ。」
「え、なんですか?」
「うんにゃ、なんでもないよー。」
かなりの小声を耳聡く拾ったハルっちに手を振り、対峙する大小のアバターを見やる。
初めのパイルでの加速突撃は意表をつく意味では良かったが、その次の正拳はダメだ。あんなもの
迎撃してくださいと言わんばかりの攻撃だ。普通ならばフェイントに使うか、でなければ追撃
しなければ意味が無い。そもそも避けられていない事
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