第2話 放課後日和
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「ありがとう春人くん。って待ってよ凛ちゃんもう少し休ませてよぉ〜」
終始ハイテンションの凛は花陽と僕の手を掴んで猛ダッシュで店内を駆け巡る。
走り回ったら危ないよ〜、と言いたいところだけど言ったところで凛の暴走が止まるはずがない。そう思った僕はなされるがままに身を任せた。
そうして凛に引っ張られ、僕と花陽はプリクラ機の中に入る。室内は真っ白で眼前にはコイン投入口と操作画面、カメラレンズが搭載されていた。
「え?僕も撮るの?」
「当たり前だにゃ、春くんだけ仲間外れだなんて考えられないもん」
「それに私たち三人で撮ったプリクラなんて一枚も無いから記念に撮ろ?」
「そう......だね、確かに無いかも」
記憶を辿ってみるもそれらしき記憶もないし撮りたいっていうなら断る理由もない。
そういうことで僕達はお金を投入口に入れると、ふわふわした感じの声が室内に響く。
「かよちん、これどうすればいいにゃ?」
「ええと......うん、そのままOKボタン押していいんだよ。」
『それじゃあ一枚目いっくよ〜』
と、聞こえた瞬間いきなりフラッシュが焚かれた。
「あぁ!春くん端っこにいるから左半分写ってないにゃ!!」
「春人くん場所移動場所移動!!」
「え?え?なに?なに?」
訳が分からぬまま花陽に急かされ凛・花陽・僕の並びから凛・僕・花陽の順番へと強制変換される。
なんで?と、尋ねようとした瞬間、
『二枚目いっくよ〜』
と、またしてもふわふわな声が聞こえ、フラッシュが焚かれる。
思わず目を瞑ってしまい、二枚目は目を閉じた僕が写っていた。
「今度は春くん寝てるにゃ!ちゃんとレンズ見る!」
「じゃあ次は春人くんのう〜しろっ!」
「うごっ!?」
「ああ!?かよちんずるいにゃ!りんもりんも〜!!」
今度は花陽が僕の後ろから飛びついてきて、柔らかな女の子の象徴を感じながらも態勢を立て直し、更にその上から凛ものしかかってきたので耐え切れずうめき声をあげる。
「う......ご...っ、た、助けて......」
一人だけなら僕でも支えられる。けど、二人同時だとお世辞でも軽いとは言えない。
僕は運動部でもなければゴリゴリの筋肉体質でもないんだ......
そんな僕の苦労なんて露知らず、プリクラ機の声は無機質なボイスを響かせる。
『次の写真、いっくよ〜』
パシャリ、と三回目のフラッシュが焚かれる頃には僕の肉体とメンタルはボロボロだった。
「凛ちゃん、次はこのポーズにしよ?」
「あ、それいいにゃ!」
果たしていつまで続くのかな......。
あ
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