第十四話 アカツキ帝国は、決断を迫る
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を自分で賄えるまでは支援する事を決まっていたが、自衛隊やアカツキ帝国軍がいつまでも避難民達に支援してくれるとは限らないので、生活費は自分で稼ぎたいと思い、そこでカトーはアルヌスの丘あたりに翼龍の死骸が沢山ある事に気がつき、翼龍の鱗と爪で生活費を稼ごうと思いついた。
そして、それを伊丹に伝えるとあっけなく了承された。
「好きに取っていいとな!?レレイ!?」
「そう言っている」
あまりにあっけなく翼龍の鱗を生活費にしていい事を了承された事に、カトーは驚く。
「いいんじゃないの?どうせ射撃訓練の的にしているだけだし、自活に役立つならいくらでも持ってちゃって」
伊丹の言った通りに特に問題はない。日本政府は、この翼龍の鱗や爪に対してそこまで執着しているわけではないからだ。既に翼龍の遺伝情報や鱗や爪のサンプルの多くを確保して、生物学者に研究材料として渡しているので、そのため日本政府もそれ以上の価値はないと判断しているからだ。
こうして許可が下りて、龍の鱗や爪を喜んで採取する村人たちであった。その鱗や爪を丁寧に水で汚れを落として袋に詰めていく。最初の一日だけで、二頭分の翼龍の鱗と爪を採取したので、鱗一枚で銀貨一枚分の価値があるらしく、そこで翼龍の鱗を大量に採取した事で、この鱗の取引を何処でやるかで迷ったが、そこでカトーの知り合いの大商人がイタリカにいるので、そこで売ろうという話しでまとまった。
ーーー。
ここは変わってアルヌス駐屯地にある会議室の一部屋。そこにアルヌス駐屯地の司令官である狭間陸将とアルヌス野戦基地司令官の坂本中将が深刻な表情で話し合っていた。
「帝都に対する侵攻ですか」
「ええ、そうです。このファルマート大陸の秩序の崩壊が始まっています。現皇帝のゾルザルを捕縛し和平を結ばざる得ない状況に追い込まなければ、この大陸は戦乱の世となります」
「そのための帝都侵攻ですか?」
ファルマート大陸は状況がどうであれ、帝国の一極支配により安定を保っていたと言ってもよかった。しかし、その安定もアカツキ帝国と日本に対して戦争を仕掛けた事により状況は変わった。度重なる敗戦により影響力の低下と、領地運営に長けた貴族達による戦死の続出による治安システム崩壊。その敗残兵の増加による盗賊化という負の連鎖がファルマート大陸に広まり始めているのだ。
実際に盗賊の増加により、村を襲撃されて村を捨てて逃げてアカツキ帝国占領下の地域に難民が押し寄せており、難民は日に日に増えていると伝え、盗賊の討伐による軍の出動も増えているとも伝えた。
そもそも帝国もここまで状況が深刻化するほど戦争を継続するほど愚かではなく、アカツキ帝国が実行した帝都による警告爆撃を受けて、自分達が戦争を仕掛けた相手がとんでもない相手であっ
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