暁 〜小説投稿サイト〜
宇宙を駆ける狩猟民族がファンタジーに現れました
第二部
狩るということ
じゅうさん
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と同化した。







 ある程度彼女と離れた木の上で、パパラッチよろしく待つこと数分。私の集音器が捉えた複数の音の正体が姿を現す。

 中間部より抜けてきたのは、彼女と同じ、プレートメイルを着込んだ一団。間違いなく、彼女の所属する騎士団の者たちだろう。
 内1名にいたってはマントを羽織っており、彼女を始めとしたその他騎士達よりも、趣向を凝らせた造りのプレートメイルを着込んでいることから、それ相応の地位を持つ者だと予測される。
 女騎士、エリステインと言えば、既に完全に再起動を果たしており、いまは立ち上がってその一団へと向き直り、マントを羽織った地位の高いものに対して敬礼と思われる、右手拳を左胸に当てる格好を取っていた。

「ご無沙汰しております。……まさか総隊長殿がお越しになられるとは知らず、ご無礼をお許し下さい」
「いやいや、構わないさ。今回の視察は私の思い付きみたいなものでね。実地訓練も兼ねているのさ。事前に通達していなかった私に非があるのだ。そう畏まらないでくれ」

 恭しく頭を下げるエリステインに対し、総隊長と呼ばれた騎士は片手を上げて応える。エリステインは「ありがとうございます」と返答して、直立の姿勢になる。

……くそ真面目というか、それが彼女らしいというか。まあ、そうすべき相手で対応としては間違いないのであろうが、総隊長と呼ばれた騎士が苦笑いしているのが手に取るように分かる。

「全く。相変わらずだな、君は」
「いえ、当然のことかと愚考致します」
「そう返されてしまうと、少々物寂しくなるが……。そういったところも、君には好感を覚えるよ」
「はっ、恐縮です」

……スルースキルたけーな、おい。

 100パーセント、とは言えないが、明らかに友愛以上の好意を、総隊長と呼ばれた男がエリステインに持っていると思うのは私だけだろうか。

 表情どころか、声に揺らぎすら見られないことから、彼女は全く気が付いていないのか?

 いやいや、有り得ないでしょう。そんなのフィクションの中だけでしょう。人外おじさんビックリしちゃうよ?

「……さて、エリス。私がこの地にやってきたのは、先ほど説明した通りだが、本来は中程で訓練を行う予定でね。いま私がここに居るのは、この状況に他ならない。説明を求めてもいいかな?」

 それに反して、総隊長は物凄く納得いっていない声色だ。ドンマイ。ガンバ。

 いや、まあそれはいい。男女の問題だ。各々で何とかしてくれ。

 問題は、「この状況」か。確かに、短時間な地味な狩りではあったが、二桁に達する木々が斬り倒されているのだから、それなりの騒音はしただろう。
 私がやったことに対して、申し訳ないことに彼女に丸投げをしてしまう形になってしまったが、致
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