第1話 僕の幼馴染とは...
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はあまりない。
だけど今は場所が場所なので名残惜しいけど止めることにした。
「花陽ちゃんここ電車の中だから静かにね?」
「ダメ、ここからがこのダンスのすごいところなんだよ!」
「でもかよちん、周りの人こっち見てるにゃ。」
「.........ふぇ?」
凛に指摘され冷静になった花陽は周囲をぐるりと見渡す。大人、子供、学校帰りの高校生、老人。老若男女がクスクスと「面白い子ねぇ」と言わんばかりの顔で微笑していた。当然状況を理解した花陽は、
「あわ、あわわわわわわわわわわわ............!」
と、トマトになってショートした。
元から小動物みたいに小さいのに恥ずかしすぎて更に小さくなっていった。
「大丈夫にゃ、りんはこっちのかよちんも好きだよ!」
「うん、僕も好き。」
「2人とも恥ずかしいよぉ......。でも、ありがとう。」
「でも春くんはむやみに女の子に”好き”って言っちゃダメ!」
どうして?と、たずねる前に花陽が牽制してきた。
「そうだよ春人くん。春人くん優しいからそんな事女の子に言っちゃったらその子春人くんに惚れちゃうもん。」
「そんなこと──────」
「中学の時、そうやって優しくし過ぎた結果何人から告白されたんだったかにゃ?」
「ぐっ......」
花陽を僕と凛で愛でていたはずなのにいつの間にか僕が花陽と凛に責められる図となってしまっていた。しかもかなり痛いところを突かれているから反論できないのが辛い。
おまけに妙に花陽が殺気めいた表情で僕を見ているし......
いつからだろうか、花陽がたまにちょっと怖い表情をするようになったのは。
凛は冷めた目で僕を見ている。いつも笑顔が似合う凛はだけに花陽より怖い。
そこで僕はふと考えた。
──────2人が同時に機嫌を損ねるのは決まって僕が女の子絡みの話になった時だけじゃないか?
もしそうだったら何故怒る?それが”嫉妬”だったらちょっとは嬉しい。二人にとって僕を大切な”幼馴染”として見てくれているだろうから。
そう考えたら二人の気持ちもよくわかる。仮に二人に彼氏ができたら間違いなく悲しいし誰にも渡したくないって思う。
あれ?でもこれじゃあただの独占欲なんじゃあ......
でももし、他の理由で怒っているなら検討もつかないし考えただけで頭がパンクしそう。
「弁解するなら今のうちだにゃ。」
「私は春人くんのこと信じてるよ?」
とりあえず今考えたことを外に投げ、新たな思考回路を作る。
凛は相変わらずの目つきで僕を見、花陽は頬を膨らませて上目遣いでぼくが弁解するのを待つ。
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