第1話 僕の幼馴染とは...
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とっている。もう一人の山吹色の髪をボブにした少女はスマホで新作CD情報をチェックしながら「あれも欲しい、これも欲しい」とブツブツ何かつぶやいている。
─────星空凛と小泉花陽が彼女たちの名前だ。
凛とは小学3年の時、花陽とは幼稚園の時から一緒でどちらも僕の大切な幼馴染だ。
この春から高校生となり、2人は近所の国立音ノ木坂学院という女子高に、僕はそこから2駅程離れた男子校に通うことになった。
当時、進学先が別々になったことで花陽と喧嘩をしたが凛もいるし、何より花陽が「私は音ノ木坂に行きたいの!」って言った以上言及する気も失せ、花陽の気持ちを尊重しようと思った。
「ねー春くん、アキバまであと何駅かにゃ?」
「......次の次、かな。」
「向こうについたらかよちんオススメのクレープ食べたいにゃ!かよちんも一緒に食べよ?」
「うんいいよ。私も新作の”ミックスベリー”クレープ食べたいって思ってたんだ〜。」
凛がイヤホンを外して窓に体を向けながらそう言う。
珍しく凛が音楽きいてるなぁ、と思ったが、やはり飽きたみたいでウォークマンをスカートのポケットにしまう。
どちらかというと凛はお喋り好きなので絶えず誰かと喋っている女の子。
「ゴメンね春人くん、私のわがままに付き合ってもらって......。」
「そんな事気にしないで。僕も花陽ちゃんと凛ちゃんと久しぶりに買い物できて嬉しいから。」
「うん、ありがとう......。」
俯きながら照れてる花陽を見て僕は微笑ましく思った。
花陽という女の子はこういう女の子。
「久しぶり何だっけ?例のスクールアイドルがシングルCDを出すのは。」
「うんそうなんだ!先週彼女たちの新曲のダンスをUTXのスクリーンで見てきたんだけどね!”大人の恋”を連想させるような大人っぽい曲でかっこよかったの!特にセンターの綺羅ツバサさんなんて私と大して身長変わらないのに大人のオーラを出していていいなぁって思ったの!今日発売されるCDはそうPVもついてくるから取りこぼすことはできないんです!それとねそれと─────。」
そして花陽最大の魅力はコレ。よく言われる”ギャップ”がとても可愛らしい僕の幼馴染。普段はああなのにアイドルの話題になると別人のように豹変して饒舌に語りだす。本人は無意識なんだろうけど一日最低一回はああなり、落ち着くと顔を真っ赤に染めて縮こまる。
僕も十数年間彼女を見てきて初めてコレと遭遇したときは驚いたけどいつも楽しそうに語る花陽が可愛かったので話を遮ったこと
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