再会
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の意味はこの事だった。
急な出来事に放心状態になっているといつの間にかHR開始のチャイムが鳴って
いた。
急いで席に座る、先生が朝の挨拶を終えると予想通りの話になった。
「はい、今日は新しく皆の友達になる転校生の子を紹介します」
クラスメイトの半分がざわつく、どうやらもう半分はすでに知っているらし
い。
「花山可憐でーす!気軽に下の名前で呼んでね!よろしく!」
「それじゃあ……席はあそこね」
先生が指を指した席は私の席からはるかに遠い廊下側の一番隅っこの席だっ
た。
当然と言えば当然だろう、隣同士になりたかったが、あいにく私の席は窓側の
一番前。
昔から先生に注意される場所で皆から嫌がられる最悪の席だ。
だが、席を指定された可憐は動かない。その瞬間右手をピンと上げ先生に訊ね
る。
「私、目が悪いので出来れば一番前の列の席に行きたいです!」
多分嘘だ。普通目が悪いならメガネかコンタクトをしているはず。
「うーん……それなら早めにメガネ等準備してくださいね。それじゃあ可憐さん
に席を譲ってもいいという人は手を挙げてください」
可憐の嘘に呆れていると右隣の女子が我先にと手を挙げた。
恐らく、授業終始監視状態の最前列の席が嫌で仕方なかったのだろう。気持ち
は痛いほど分かる。
「それじゃあ席を交代してくれる?交代が終わったら休み時間ね」
あの子が手を挙げなかったらどうしてたの……と聞こうとしたが、笑顔でこち
らを見る可憐を見ると聞く気は無くなった。
そして、可憐との新しい学校生活を告げるチャイムが心の中に鳴り響いた。
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