一通の手紙
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見て空しさを感じた。
だがそんな空しさも今の私には小さな物だった。
二人と別れ、ますます夜が深まった気がする。
4月といえどまだ春だ。
辺りの住宅の光がよく目立つ。
毎日の様に部活動が遅くまであるので夜道を歩くのは慣れっこだった。
私は突発的に
??『何か』が足りない。
そう思った。
その『何か』が気になって仕方ない。
どうしても心に引っかかるのでいつもより遠回りをして帰ることにした。
だが、必死になって考えているうちに家の前まで着いてしまった。
部屋に戻ったら考えよう……。そう思いながら玄関のドアノブに手を伸ばす。
その時足元に薄い何かを踏んだ感覚があった。
「ん……何か踏んだかな」
見てみると一昔前に流行った折り紙で作った手紙だった。
不思議と恐怖や違和感は抱かなかった、むしろ心が弾んだ。
「ただいま」
私は、家族にそれだけ言い残して、自分の部屋へと急ぐ。
期待と若干の不安が頭を過ぎる中、折り紙を開く
そこには簡単に、こう書かれていた。
久しぶり、美鈴。明日会えるといいね――――――『H.K.』
「H.K.?」
思わず声が出た。
『H.K.』のイニシャル……折り紙の手紙……
ヒントは二つだけだったが、差出人の名前は自然に出てきた
「可憐……?」
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