一通の手紙
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私、白河美鈴は気づけば高校生になっていた。
数ヶ月前は憧れの存在だった高校生……だが現実は非情である。
「つ……疲れた」
七時間目まである授業に加え、毎日のようにある部活動。
高校でも引き続きテニス部に入ったものの、ハードな練習についていけず退部も考えているほど。
はっきり言って才能が無い。
とは思いたくないものだが、中学生時代から続けているのに進歩が無いので、そう思わなければ自分自身が納得出来ない。
これだけ疲れても死なないのだから、仕事で過労死ってどれぐらい疲れて死ぬんだろう……。
そんな事を思いながら毎日授業を受けている。
机に伏せていた私の耳に、七時間目の終わりを知らせるチャイムが聞こえてきた。
今日は部活も休みだから帰って寝よう……。
そう思って立ち上がった私に、クラスメイト二人が駆け寄ってくる。
二人は、入学式当日に少し話しただけの関係なので特別仲良しなわけではなかった。
「あのー」
「ん?」
私は、眠たさ故に蚊が鳴いたかのような声で返事をした。
「美鈴さん、今日空いてるー?」
「今から遊びに行くんだけど良かったらどうかなと思って」
「いいけど……」
「けど?」
「ううん、なんでもない」
私は疲れていたが断る理由も無いので付いていく事にした。
校門を出るとすぐに話が始まる
「カラオケ行かない?」
「あっ、それ名案!美鈴さんは行きたい所とかある?」
「うーん、落ち着く場所ならどこでもいいかな」
「じゃあカラオケでよくない?」
「え?」
私は耳を疑った。カラオケが落ち着く場所?とんでもない!
六畳ほどの部屋の中で、多量の光と音を見て聴き続ける。
どう言い表しても落ち着くなんて出来そうにない
「駄目……だった?」
「い、いや……駄目って訳じゃな――」
「じゃあ行こうよ!」
半ば強引に連れて行かれた
受付を済ませ、二人が部屋を指定する
どうやら一番奥の部屋になったらしく、それは長い間廊下を歩いた
「へぇー、思ってたより綺麗だね」
「それより早く歌おうよ!間がもったいないよ!」
「そうだね」
そこからは時間の経過が早く感じた。
久しぶりに歌うと体が雲の様に軽くなった気がする。
最初はカラオケと聞いて嫌悪感を抱いていたが、思ってたよりスッキリした。
その後はというと喫茶店に寄り、ガールズトークを楽しんだ。
内容は恋愛に関してだったが、昔から異性に興味が持てない私には関係ない話だった。
その後は適当に相づちを送っているだけで気づけば夜になっていた。
「今日は疲れたけど楽しかったー!」
「それじゃあ私達こっちだから、また明日!」
「うん、また明日ね」
別れを告げた後、街灯の明かりから暗闇に消えていく二人の後姿を
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