第15話
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権及びそれが認めた公的機関に対して捜査権・逮捕剣を公使できない。』……つまり、軍がシラを切る陰り、こちらに手を出す権利はないの。」
「チッ、そいつがあったか……」
「まさかここに来て、あの規則が足かせになるとはな……」
しかしキリカの忠告を聞いたアガットは舌打ちをし、ルークは悔しそうな表情をした。
「そ、そんな……そんなのっておかしいわよ!目の前で起きている悪事をそのまま見過ごせっていうわけ!?」
「エステル、確かにそうだけど、どんな決まり事にも抜け道はあるわ。そうでしょう、キリカお姉さん?」
憤慨しているエステルとは逆にレンは落ち着いた様子で諌めた後、小悪魔な笑みを浮かべて尋ねた。
「ええ。協会規約第2項。”民間人に対する保護義務”……『遊撃士は、民間人の生命・権利が不当に脅かされようとしていた場合、これを保護する義務と責任を持つ。』……これが何を意味するかわかる?」
「なるほど……博士は役人でも軍人でもない。保護されるべき民間人ですね。」
「そ、それじゃあ……」
自分達を縛る”抜け道”の話を聞かされたエステル達は最終決定権を持つマードックをキリカと共に見つめた。
「あとは……工房長さん、あなた次第ね。この件に関して王国軍と対立することになってもラッセル博士を救出するつもりは?」
「……考えるまでもない。博士は中央工房の……いや、リベールにとっても欠かすことのできない人材だ。救出を依頼する。」
軍を敵に回すかもしれない行動にマードックは迷わず頷き
「工房長さん……!あ、ありがとーございます!」
「礼を言う事はないさ。博士は私にとっても恩人だしね。」
マードックの返事を聞いたティータは嬉しそうな表情になった。
「これで大義名分は出来たわ。……遊撃士アガット。それからエステルにヨシュア。レイストン要塞内に捕まっていると推測されるラッセル博士の救出を要請するわ。非公式ではあるけど遊撃士協会からの正式な要請よ。」
「フン、上等だ。」
「了解しました。」
「そう来なくっちゃ!……ってあれ、なんでルーク兄とレンの名前がないの?」
遊撃士協会の依頼に頼りになる兄と妹の名前が無かったことに気付いたエステルは首を傾げ
「その二人は別件があって近い内、ツァイスを離れなければならないのよ。そうでしょう?」
「!!ああ。」
「(ラッセル博士を攫ったんだから、次はママの可能性も充分にありえそうね。)ええ、実を言うと本当ならエステル達が来る前に戻らないとダメだったんだけどそれを今まで伸ばしてきたから、そろそろ戻らないとマズイのよ。」
キリカに視線を向けられた二人はカシウスの手紙の内
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