第13話
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てアガットを中央工房に運んだエステル達はアガットを診てもらい、ルーク達はキリカに事情を説明した。
〜夜・遊撃士協会・ツァイス支部〜
「そう、ラッセル博士の奪還は失敗した上、アガットは負傷してしまったのね。」
報告を聞き終えたキリカは取り乱す事や慌てる事もなく冷静な様子で頷いた。
「―――ごめんなさい。レンに責任があるわ。博士が大好きなティータの性格からして、家にジッとして待っていられない事なんて簡単に予想できたのに……こんな事ならお兄様達について行って、屋上へ続く階段を見張っておけばよかったわ。」
「その件に関しては俺にも責任がある。祖父が攫われた事によって、孫娘―――”家族”がどういう気持ちを抱えていたかを考えていなかったからな……」
「いえ、二人は緊急事態でありながらも、咄嗟に判断してよく動いてくれました。それにギルドの方でティータを保護しておけば、こんな事にはならなかったでしょうし。―――むしろ、そんな事があったにも関わらず肝心な時に動かず、呑気に温泉につかっていたジンの方が責められるべきです。全く、よくそれでA級が務まるわね?」
自分達の否を認め、謝罪するレンとバダックの言葉を聞いたキリカは二人を責める所か逆に慰めた後ジンを見つめ
「あら、その人、A級なんだ。」
「ああ、”不動”の異名で有名だぜ。」
ジンがA級である事に目を丸くしているレンにルークは説明した。
「お、おいおい。さすがにそれは仕方ねえだろ……市内の騒ぎはエルモ村にまで伝わらなかったんだからな。」
一方キリカの責められるような視線で見つめられたジンは疲れた表情で答えた。
「バダックさんのように真っ直ぐツァイス市に向かって来ていたら、アガット達と合流して、ラッセル博士の奪還に向かえたのではなくて?」
「グッ。痛い所を突きやがるな……」
(あ、相変わらず容赦ねえ……)
キリカに指摘され、唸っているジンの様子をルークは冷や汗をかいて見つめていた。そこにエステル達がギルドに入って来た。
「おお、お前さんたちか。」
「あ、ジンさん!それにバダックさんも!まだ居てくれたんだ。」
ジンとバダックの姿を見て、明るい表情をしたエステルはヨシュアとティータと共にルーク達に近づいた。
「ジンさん、さっきはアガットを運んでくれてありがとね。それにバダックさんも。急な出来事だったのに、あたしたちに手伝ってくれて、本当にありがと。」
「お世話になりました。」
「はは、気にするな。これも同業者のよしみだぜ。」
「ああ。それに俺はそれ程大した事はしていない。」
新人達に感謝された熟練の遊撃士達はそれぞれ謙遜
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