機動戦艦ナデシコ
1313話
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声を遮るように響く声。
その声の持ち主は誰なのかは、声で分かった。
艦長が、俺の方へと目を輝かせながら視線を向けているのだ。
いやまぁ、その気持ちは分からないではない。
このナデシコは科学の発達した世界であって、ファンタジー系の要素がある訳じゃない。
古代火星文明とかファンタジー系のようにも思えるけど、それはこの際関係ないのだろう。
「エルフ以外にワイバーンもいるぞ。ちなみにホワイトスターにある牧場区画に来れば、ワイバーンに乗る事も出来る」
「わぁっ! ワイバーンに乗ったアキトに助け出されるお姫様の私……ああ、駄目よアキト、そんな、そんなっ!? せめて誰もいないところで……」
いきなりトリップしたな。
いやまぁ、エルフとかワイバーンっていうファンタジー系の要素ってのは、ツボな人にはとことんツボだ。
だとすればこうなるのもおかしくはない、か。
1人で身悶えている艦長をそのままにして、ハルカは話を戻す。
「それで、私も行くけどいいのよね? ホワイトスターにいる、アクセルの恋人達にもきちんと挨拶をしておく必要があるでしょうし」
俺の方へと視線を向けながら尋ねてくるハルカに、俺が出来るのは頷くだけだった。
「分かった。ハルカがホワイトスターへ来るのを許可する」
「ありがと。……ちなみに、エリナは行かないの?」
流し目を向けてエリナに話を向けるハルカだったが、それを受けたエリナは急に挙動不審になる。
「そっ、それは……だって、私はネルガルの人間で……」
「……いいの? 本当に? ここで置いて行かれるという事が、どういう意味を持っているのか。それはエリナにも分かるでしょ? それでいいのなら、私はこれ以上何も言わないわ。それがエリナの決断なんでしょうから。その代わり後悔する事になっても知らないわよ?」
ハルカの言葉に少し迷ったエリナだったが、その視線がプロスペクターの方に向けられると、すぐに頷きを返される。
「ホワイトスターという場所をエリナさんが見てくるというのは、ネルガルにとっても決して悪い事ではないかと」
「……そうね。じゃあ、私も行かせて貰おうかしら。一応顔合わせはしておいた方がいいから、私も同行しましょう」
こうして、ハルカとエリナの2人がホワイトスターへ行く事になる。
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