第12話
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…大丈夫だよ……お姉ちゃん、レンちゃん……わたし、ひとりで立てるから……」
家族を攫われ、悲しみに暮れていたティータは泣き止んで立ち上がった。
「へっ……やれば出来るじゃねえか。」
「ほう?今のは俺も驚いたぞ。」
ティータの心の強さにアガットとバダックはそれぞれ感心した。
「本当に……ごめんなさい。わ、わたしのせいであの人達に逃げられちゃって……」
そしてティータは自分の祖父を取り返そうとしてくれた遊撃士達に自分の否を謝罪した。
「バカ……謝ることなんてないわよ。」
「エステルの言う通りよ。ティータの行動を把握できなかったレンにも責任はあるんだから……」
「うん。ティータが無事でよかった。」
「うむ、お前のような幼子に怪我がなかっただけ、不幸中の幸いだ。」
「だな。ティータが無事でよかったぜ。」
「ありがとう……レンちゃん、お姉ちゃん、お兄ちゃん、ルークさん、それにえっと……」
エステル達にそれぞれ声をかけられたティータは微笑んだ後見覚えのない大男を見上げ
「――バダックだ。エステル達と同じ遊撃士だ。道中、彼女達に事情を聞き、ここまで同行した。」
「そうだったんですか……バダックさんもありがとうございます。」
バダックの事情を聞いたティータはぺこりと頭を下げた。
「あ、あの……アガットさん……」
「なんだ?文句なら受つけねえぞ?」
「えと……あ、ありがとーございます。危ない所を助けてくれて……それから……励ましてくれてありがとう……」
「は、励ましたわけじゃねえ!メソメソしてるガキに活を入れてやっただけだ!」
ティータに優しげな微笑みを向けられ、予想外の言葉を聞いたアガットは慌てた様子で答えた。
「ふふ……そーですね。」
「だ〜から、泣いてたくせになんでそこで笑うんだよ!?ちょ、調子の狂うガキだな……」
「あんたねぇ、お礼くらい素直に受け取りなさいよ。」
「いや、アガットさん、単に照れてるだけじゃないかな。」
「うふふ、そうね。一匹狼を気取っているようだけど中々可愛い所あるじゃない♪」
ティータの笑顔に照れているアガットをエステル達は生暖かい視線で見つめ
「フッ、どこかの誰かと同じで、まだまだ小僧だな。」
「おい、その”どこかの誰か”ってのは誰の事で、しかも何で俺を見ながら言うんだ!?」
口元に笑みを浮かべたバダックに見つめられたルークは顔に青筋を立ててバダックを睨み
「お前ら、うるせえぞ!」
口々に言い合うエステル達をアガットは声を上げて睨んだ。
こうしてラッセル博士の奪還に失敗したル
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