第12話
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溜息を吐き、ティータに視線を向けた。
「ひっく、ううっ………なんで……どうしておじいちゃんが………ひどいよ……どうしてぇ……」
「おい、チビ。」
「……………?」
アガットは泣きじゃくるティータの頬を無言で平手打ちをした。
「………あ………」
平手打ちをされたティータは様々なショックで泣き止み、地面に膝をついた。
「ちょ、ちょっと!?」
「アガット!?」
「何でティータをぶったのよ!?」
アガットの行動にエステルとルークは驚き、レンは親友に平手打ちをしたアガットを睨んだ。
「言ったはずだぜ……足手まといは付いてくんなって。お前が邪魔したおかげで爺さんを助けるタイミングを逃した。この責任……どう取るつもりだ?」
「あ……わたし……わたし……そ、そんなつもりじゃ……」
アガットに責められたティータは表情を青ざめさせた。
「おまけに下手な脅しかまして命を危険にさらしやがって……俺はな、お前みたいに力も無いくせに出しゃばるガキがこの世で一番ムカつくんだよ。」
(出しゃばるガキ………か。)
(”力の無さ”………か。)
アガットの言葉からかつての自分を思い出したルークは複雑そうな表情をし、ルークと同じようにかつて愛する娘と妻を同時に失った時の当時の自分の力の無さを嘆き、娘と妻が失うきっかけを作った”予言”を憎むようになった自分を思い出したバダックは目を伏せた。
「ご………ごめ……ごめ……ん……なさ……ふえ……うえええっ……!」
「ちょ、ちょっと!どうしてそんな酷い事を言うの!?」
「エステルの言う通りよ!ただでさえ、大事な家族を浚われたばかりだっていうのに!」
「だから言ってるんだ。おい……チビ。泣いたままでいいから聞け。」
ティータが涙を流して泣き始めたきっかけを作ったアガットをエステルとレンはそれぞれ睨み、二人に睨まれたアガットは冷静に答えた後ティータに視線を向けた。
「うぐ……ひっく……?」
「お前、このままでいいのか?爺さんのことを助けないで諦めちまうのか?」
「うううううっ……」
アガットの言葉を否定するかのようにティータは涙を流しながら首を何度も横に振った。
「だったら腑抜けてないでシャキッとしろ。泣いてもいい。喚いてもいい。まずは自分の足で立ち上がれ。てめえの面倒も見られねえヤツが人助けなんざできるわけねえだろ?」
「……あ……」
「それが出来ねえなら二度と俺達の邪魔をせず、ガキらしく家に帰ってメソメソするんだな。……フン、俺はその方が楽なんだがな……」
「「………ティータ……」」
「………
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