第12話
[6/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
返してくれなかったら……こ、こうなんだからああっ!」
そしてティータは導力砲で連続で砲撃を行い、何度も飛行艇に砲弾を命中させていた。
「ガ、ガキが!俺達の邪魔をするんじゃない!」
その時ラッセル博士の近くにいた男が銃口をティータに向け
「あ……」
銃口を向けられたティータは恐怖によって硬直した。
「まずいっ!」
「ティータ!」
「クッ……!」
男の行動を見たヨシュアとエステルが血相を変え、ルークが拳に闘気を込めて振るおうとしたが
「やめろ、小僧!あの位置では人質まで巻き添えを喰らうぞ!」
「!!クソッ!」
バダックに警告され、悔しそうな表情ですぐに攻撃を中断し
「チイイイッ!」
アガットはティータを突き飛ばした。その瞬間、男の銃口から銃弾が放たれ、アガットの腕をかすった。
「くっ………!」
「アガット!?」
「アガットさん!」
腕から血を流し始めたアガットを見たエステルとヨシュアは声を上げ
「お、おい!子供を撃とうとするヤツがいるか!万が一こんな事、閣下に知られたらどう言い訳をするつもりだ!?」
「しかもそいつはテスト用の……!」
一方男達の仲間は仲間の行動を咎めるかのように慌てた様子で声を上げた。
「す、すまん。船が落とされると思って、つい……」
「まあいい、このまま撤収するぞ!」
そして男はラッセル博士を担いで飛行艇に飛び移った。
「あっ……!ま、待ちなさいよっ!」
「お、おじいちゃあああああん!」
ティータの悲鳴を上げた瞬間、男達を乗せた飛行艇は塔から去って行った。
「ヒック、ううっ………」
飛行艇が去るとティータは夕陽を背に涙を流して泣き始め
「ティータ………」
「…………………」
幼い子供が大好きな祖父を攫われた事に悲しむ様子にエステルは悲痛そうな表情をし、バダックは目を伏せて黙り込み
「とりあえず……いったんツァイスに戻ろう。レンにティータの無事を教える事やあの飛行艇の事をギルドに報告しなくちゃ……」
「そうだな……」
悔しさを纏わせるヨシュアの提案にルークは重々しく頷いた。
「―――いえ、レンに報告する必要はないわ。」
その時レンがルーク達に近づいてきた。
「レン………一体いつ、こっちに来たの?」
「町に戻ってティータを探したんだけど、どこにも見つからなかったから、もしかしてと思って急いでここまで来たんだけど………どうやら遅かったようね。―――ティータ、辛いとは思うけど一旦戻るわよ。」
エステルに尋ねられたレンは答えた後、疲れた表情で
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ