第9話
[3/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
験が終わった頃にはすっかり夕方になり、それぞれが落ち着くと互いの自己紹介をようやくした。
〜数時間後〜
「わはは、すまんすまん。すっかりお前さんたちを中央工房の新人かと思ってな。ついコキ使ってしまった。」
「ったく、笑いごとじゃないわよ。コーヒーだけじゃなくさんざん手伝いをさせてさ〜。レンも気付いていたのなら手伝いなさいよね〜。」
人違いをしたにも関わらず豪快に笑うラッセル博士を呆れた様子で見つめたエステルは優雅に紅茶を飲んでいるレンを責めるような視線で見つめた。
「うふふ、悪かったわね、エステル。2人の邪魔をする訳にもいかないと思ってね。その代りこうやってみんなのお茶を入れているじゃない。」
「まあまあ、貴重な体験をさせてもらったと思えばいいじゃない。新型オーブメントの起動実験なんて滅多にあるもんじゃないんだし。それにレンの入れてくれた紅茶もおいしいし、それで許してあげようよ。」
「ふう……しょうがないわね。今度からは手伝いなさいよね。」
「ええ。」
「あう〜ごめんなさい、エステルさん、ヨシュアさん。なんだかわたしも、実験に夢中になっちゃって……」
「あ、ティータちゃんは謝る必要はないんだからね?はあ、”導力革命の父”とかいうからどんな凄い人かと思ったけど……ここまでお調子者の爺さんとは思わなかったわ……」
ティータに謝罪されたエステルは苦笑した後、自分達を扱き使ったラッセル博士を呆れた様子で見つめた。
「わはは、そう誉めるでない。しかし、お前さんがカシウスとレナさんの娘か……顔はレナさん似だが目元など細かいところはカシウスに似てるのう……」
「あ、やっぱり博士って父さん達の知り合いだったんだ?」
両親の容姿を知っている様子のラッセル博士にエステルは自分達がラッセル博士を尋ねた理由を思い出し、納得した様子になった。
「うむ、結構前からの。あやつが軍にいた頃からじゃから20年以上の付き合いになるか。あやつとレナさんの結婚式は見物じゃったぞ。あの血気盛んなカシウスが石のように緊張してたからな。」
「へ〜、あの不良親父でも緊張することがあったんだ〜。ねえ、博士。もっと詳しく聞いていい?」
「レンも興味あるわ。特にママのウエディングドレスとか凄く綺麗だったんでしょうね♪」
両親の過去話がラッセル博士の口から出るとブライト家の娘達はそれぞれ目を光らせ、興味深そうな表情になった。
「まあまあ2人とも。父さん達の話は時間がある時に聞こうよ。それよりエステル、今日の目的のためにここに来たんだろう?」
「むう、しょうがないわね。」
「あっと、いけない。そうね、ヨシュア。博士、実は
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ