第13話
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よう促した。
「いや………どうやら、まだいるみたいだよ……」
「へ………?」
新たな魔獣の気配を感じたヨシュアはエステルに警告し、その警告にエステルは目を丸くした。すると先ほど現れた霧状の魔獣より一際大きい同じ魔獣が現れた。
「い!?まだ残ってたの!?」
「ク………どうしよう……」
ヨシュアは劣勢を一瞬で悟り、どうするか考えた。
「……しょうがないわ……パズモ!」
(ようやく私の出番ね!)
エステルは溜息を吐いた後、己の守護精霊を呼んだ。呼ばれたパズモは2人を守るように現れた。
「エステル、シェラさんの言ってたことを忘れたのかい!?」
パズモを見たヨシュアは驚き、エステルに聞いた。
「覚えているわよ!でも、緊急事態だからシェラ姉も許してくれるって!パズモ、お願いできるかしら!?」
(大丈夫!私に任せて!………光よ!我が仇名す者に裁きの鉄槌を!贖罪の光霞!!)
パズモが放った魔術は薄暗い地下道全体を照らすような強力な光が走り、それをまともに受けた魔獣は消滅した。
「フゥ〜……助かったわ。ありがとう、パズモ。」
今度こそ戦闘が終了したと思ったエステルはパズモにお礼を言った。
(フフ、あなたを守るのが私のやるべきことだから気にしないで。………!?エステル、ヨシュア!後ろ!)
お礼を言ったエステルにパズモは笑顔で答えた後、エステル達に襲いかかろうとした魔獣に気付きエステルに警告した。
「へ……」
「しまった……!」
警告されたエステルは後ろを振り向き、それに気付いたヨシュアも後ろに振り向いたとき魔獣はすでに2人に襲いかかろうとしていた。
(ク………間に合って……!)
パズモは焦りながらも魔獣に魔術を当てようとした時
「……雷よ落ちなさい!落雷!!」
魔獣に強烈な雷が落ち、雷を受けた黒焦げになって息絶えた。そして2人は振り向いて雷を放った術者であるシェラザードを見てホッとした。
「シェラ姉、来てくれたの!?」
「助かりました、シェラさん。」
「2人とも油断はするなって言ったでしょ。遅いと思って一応様子見に来て正解だったようね。」
シェラザードは溜息を吐いた後、エステルの肩に乗っているパズモに気付いた。
「エステル、あんたね……私の言ったこと忘れたの?」
「う”!これには訳が………」
シェラザードの言葉を聞いてのけ反ったエステルはヨシュアと共に理由を話した。
「ああ、それはごく最近姿が見られた新しい魔獣よ。別に手配魔獣でもないわよ?」
エステル達が苦戦した魔獣のことを聞くとシェラザードはなんでもない風に言った。
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