序章〜全ての始まり〜 第12話
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ザードから視線を外すように横に向け、小さな声で呟いた。
「大丈夫ですよ、シェラさん。エステルって勉強が嫌いで予習も滅多にやらないけど……ついでに無暗とお人好しで余計なお節介が大好きだけど……にカンの良さはピカイチだから魔術のようにオーブメントも実戦で覚えますよ。」
(クスクス……ヨシュアったらわかっているじゃない。)
「はぁ……こうなったらそれに期待するしかないわね……」
エステルの性格を改めて思い返したシェラザードは溜息をついた。
「ちょっとヨシュア……なんか全然フォローしてるように聞こえないんですけどっ?それにパズモも聞こえているわよっ?」
エステルは2人をジトーッと睨んだ。
「心外だな、君の美点を言ったのに。」
(ヨシュアの言う通りよ。それがエステルのいい所じゃない。)
ヨシュアは笑顔で答えパズモも笑顔で頷いた。
「全くもう……ところでシェラ姉タロットで何を占っていたの?」
溜息をついたエステルは机に出してあるタロットカードに気付いた。
「ああ、これね……近い将来起こることを漠然と占ってみたんだけど……ちょっと調子が悪いみたい。読み解く事ができなかったわ。」
「読み解くことができない??」
「へえ、そんなこともあるんですね。」
シェラザードは気持ちを切り替え顔を引き締めた。
「ま、いいわ。それより2人とも最後の研修を始めるわよ。」
「「ハイ」」
そして2人は今までの復習をして最後にリベール王国について復習した。
「あたしたちの住む、このリベールは豊かな自然と伝統に育まれた王国よ。大陸でも有数の七曜石の産地でそれを利用したオーブメントの開発でも高度な技術を誇っているわ。また、10年前に突如現れた異世界の大国、メンフィル帝国が唯一友好的に
接している国よ。」
「リベールとメンフィル帝国が仲良しなのは知ってるわ、シェラ姉。メンフィル帝国がロレントに現れたお陰で百日戦役が終わったんだよね?それにお母さん言ってたよ、メンフィルの配給のお陰であたし達ロレントの市民は戦争中であるにも関わらずまともな食事ができて、病気も治療できたって。」
エステルは自分達、ロレントの市民にとって恩人とも言えるメンフィル帝国の話が出ると反応した。
「そうね。当事者であるあんたも知っていると思うけどメンフィルのロレント保護とエレボニア侵略によって、リベールとメンフィルが友好的になるきっかけになって、またエレボニア帝国は自国の領地が次々と占領された上、戦力も大幅に減らされたからリベール侵略を断念することになった原因の一つよ。メンフィルの出現はゼムリア大陸に衝撃を走らせたわ。人間とは似ているよう
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