序章〜全ての始まり〜 第12話
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頃はあたしなんかが聖女様に会っていいのかと思って気遅れしちゃったもん……」
「エステルが人に会うのに気遅れするなんて珍しいね。”闇夜の眷属”の人とさえ気軽なく接しているのに。」
「それとこれとは別よ!それより早く行きましょ、遅れちゃうわ!」
「はいはい。じゃあ、行こう。」
そして2人は再びギルドへ向かった。
〜遊撃士協会・ロレント支部〜
「アイナさん、おはよう!」
「おはようございます。」
「あら、おはようエステル、ヨシュア。」
ドアを開け挨拶をした2人に気付いた受付の女性―――アイナも挨拶をした。
「シェラ姉もう来てる?」
「ええ、2階で待ってるわ。今日の研修が終われば晴れてブレイサーの仲間入りね。2人とも合格するよう頑張って。」
「うん、ありがとう!」
「頑張ります。」
そして2人は2階に上がって行った。
2階では遊撃士の中でもメンフィルに関係する者以外は使えないと言われている魔術を使え、遊撃士としての評価も高い「風の銀閃」の異名を持つ遊撃士、シェラザードがタロットで占いをしていた。
「………「星」と「吊るし人」、「隠者」と「魔術師」に逆位置の「運命の輪」、そして
「皇帝」と「王妃」に正位置の「再会の輪」……「皇帝」は恐らくメンフィル大使ね……でも、「王妃」は一体誰のことを……?師匠は違うわね。師匠のことを示すとしたら呼び名通り「聖女」だろうし……これは難しいわね……どう読み解いたらいいのか………」
シェラザードは占いの結果の難解さに頭を悩ませていた。
「シェラ姉、おっはよう〜!」
そこに元気よく声を上げたエステル達が上って来た。
「おはようございます、シェラさん。」
「あら、エステル、ヨシュア。あなた達がこんなに速く来るなんて珍しいわね。」
「えへへ、速くブレイサーになりたくて来ちゃった。」
「はあ、いつも意気込みだけはいいんだけど…ま、いいわ。その意気込みを
組んで今日のまとめは厳しくいくからね。覚悟しときなさい。」
「え〜そんなぁ。」
シェラザードの言葉にエステルは声を上げた。
「お・だ・ま・り。毎回毎回教えた事を次々と忘れてくれちゃって……そのザルみたいな脳みそからこぼれ落ちないようにするためよ。全く、アーライナの聖書に書かれてある難解な秘印術や私が使える秘印術は覚えたのにそれより簡単なことをなんで忘れられるのかしら?それがわからないわ。」
シェラザードは理解できず溜息を吐いた。
「う……それとこれとは別よ。秘印術は体で覚えた感じのように、実際に何度も練習して覚えたような物だし……」
エステルはシェラ
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