第六章
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「もうすぐにわかるよ」
「そうだよね、それじゃあね」
「あの、伯父さん」
その少女マルガリータはマリノフスキにおずおずとした声で言った。
「私、実は今から」
「デートだね」
「さっき告白されて」
顔を真っ赤にしての言葉だった。
「そうなったから」
「そうなんだね」
「折角のお誘い申し訳ないけれど」
それでもというのだ。
「今から」
「わかったよ、じゃあね」
「また今度ね」
こうマリノフスキに言うのだった。
「それで伯父さんのお友達の人にも」
「それでいいね」
「いいよ」
苦笑いのままだ、ワイダは友に答えた。
「それじゃあね」
「そういうことでね」
「今から二人でお祭り楽しんでくるわ」
マルガリータはまたマリノフスキに言った。
「それでね」
「うん、それじゃあまたね」
「それでね」
二人で言って分かれてだった、マルガリータは待ち合わせ場所の時計台から消えた。そしてこの一時の出会いの後で。
ワイダからだ、マリノフスキに言った。
「じゃあね」
「君から言うんだ」
「僕の馴染みの店に行こうか」
「立ち直りが早いね」
「というかはじまってもいなかったからね」
だからだというのだ。
「もうね」
「立ち直ってるんだ」
「立ち直る以前だよ」
それこそというのだ。
「はじまってもいないからね」
「苦笑いになってだね」
「それで終わりだよ」
あくまでだ、それだけだというのだ。
「今の僕はね」
「そうなんだね」
「そう、じゃあ馴染みの店で飲んで楽しもう」
「ポルカを聴きながらだね」
「そこでも民族衣装になっているからね」
先程のマルガリータの様にだ。
「だからね」
「そこでもだね」
「楽しもう、飲んで食べて」
「そうしてだね」
「観光を楽しもうね」
「よし、じゃあそうしよう」
マリノフスキも友の言葉に頷いて応えた。
「これからね」
「ワインにするかい?ビールがいいかい?」
「ワインがいいね」
マリノフスキはこうワイダに答えた。
「まずは」
「そっちだね」
「ワインを飲んでそして」
「食べてそしてね」
「心おきなく楽しもう」
「それじゃあね、二人でね」
またワイダに言ってだ、そしてだった。
二人はワイダの馴染みの店に行ってそこでワインとリトアニア料理、それにだった。
ポルカと民族衣装の女の子達のダンスを楽しんだ、ワイダはマルガリータのことを想いながらワインを飲みつつマリノフスキに言った。
「ポーランドに帰ったら彼女を探そうか」
「そうしてだね」
「今度は彼女とここに来るよ」
「この祭典にだね」
「そうするよ、四年後ね」
「その時はもう結婚かな」
「そうなっている様にするよ」
こう言うのだった、
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