第7話
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リベール王国の工業都市『ツァイス市』――――王都グランセルを守る『レイストン要塞』が近郊にあり、また東の大国カルバード共和国の領地と隣り合っている土地でもあり、ツァイス地方にある『エルモ村』は東方の文化も取り入れた村であり、また温泉がある事から観光地としても有名な場所であった。そしてツァイス地方に降り立った遊撃士協会の次代を背負う事を期待されている2人を迎えるかのように一人の赤い作業着を身につけ、赤い帽子を被った金髪の少女が嬉しそうな表情で2人に近づいてきた。
〜ツァイス・発着所〜
「レンちゃーん!」
「あら、この声は。」
聞き覚えのある声を聞いたレンは目を丸くし
「どうやら向こうの方から来てくれたみたいだな。」
ルークは口元に笑みを浮かべた。
「ハア、ハア……」
「うふふ、ティータったら慌てん坊さんね?レンはどこにも逃げないわよ?」
自分達の目の前に到着し、息を切らせている少女―――ティータをレンは苦笑いをしながら見つめていた。
「で、でもでも……!レンちゃんにはちょっとでも早く会いたかったし。」
「うふふ、相変わらずティータはレンにとって嬉しい事ばかり言ってくれるわね。―――まあ何はともあれ、久しぶりね、ティータ。」
「うん、久しぶり!」
レンに微笑まれたティータは無邪気な笑顔を浮かべ
「よ、ティータ。また背が伸びたんじゃないのか?」
「えへへ、そうですか?あ、それと挨拶が遅くなりましたね。―――お久しぶりです、ルークさん!」
「ああ、久しぶりだな。」
ルークに声をかけられたティータはレンに見せたように無邪気な笑顔を浮かべてルークを見つめた。
「そう言えば、どうしてレン達がこの時間の定期便に乗って来るって知ってたの?」
「それに俺達がツァイスに来る事も何で知っているんだ?」
「あ、はい。昨日たまたま帰り道に出会ったキリカさんにお二人が来ることを教えてもらったんです。」
自分達が来ることを知っていた事に不思議そうな表情をしているルークとレンにティータは意外な答えを口にした。
「あいつがか?冷酷女に見えて、意外と気が利く奴だなぁ。」
「ふえ、そうですか?キリカさん、優しい人だと思いますけど。」
「うふふ、お兄様。それにそんな事を口にしたら、後でキリカお姉さんに何か言われるかもしれないわよ?」
首を傾げているルークの話を聞いたティータは目を丸くし、レンはからかいの表情で見つめて忠告し
「う……あいつならあり得そうで洒落になっていないぜ……」
忠告を聞いたルークは異様に鋭いツァイスの受付の顔を思い浮かべて表情を引き攣らせた。その後
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