暁 〜小説投稿サイト〜
マルシュキニアイ
第五章

[8]前話 [2]次話
 上着はブラウスのマルシュニキニアイ、それにスカートはショナスだ。その服である。
 その女の子達を見つつだ、彼は言うのだった。
「そしてその中でだね」
「そうだよ、栗色の髪でね」
「青い目で」
「かなり可愛い娘だよ」
「あの娘かな」
 時計台から少しの場所まで来てだ、ワイダは。
 その前にいる二十歳位の小柄な少女を見た、見れば。
栗色の長い髪を左右でそれぞれ三つ編みにしてまとめている、頭には王冠を思わせる赤と青、紺と白の金具の髪飾りがある。髪飾りには黒と白のアラベスクを思わせる幾何学の模様が入っている端が数本の糸となっている長いリボンがある。
 白地のブラウスには襟や袖、腕の部分に赤い糸で草や楔の模様が入れられている。
 ブラウスの上に黒地のベストを着ているがベストの前は紐で縛って止めていて横に何条も淡い赤と青の糸で刺繍の模様が入れられている。見れば首には赤いネックレスがある。
 紫の幅の広いくるぶしまでのスカートは裾のところは赤紫になっていて紫のアラベスク模様になっている、スカート全体に横で赤紫の太いラインが数条入りラインの上下には黒の中に白い向日葵を思わせる花模様が入れられている。スカートの前のエプロンはブラウスと同じ模様の赤い糸の刺繍で眩いばかりになっている。エプロンの端も糸が連なっている形だ。
 靴は木靴で歩くとそれだけで音が鳴りそうだ、服の帯は白地で左右の端に細く虹色で色が入り中央には楔が合わさった模様が縦に並んでいる。
 その彼女を見てだ、ワイダはすぐにだった。
 苦笑いになってだ、隣にいるマリノフスキに話した。
「いい娘だね」
「わかったね」
「すぐにね」
 彼女を見てというのだ。
「残念だよ」
「僕もわかったよ」
 マリノフスキもというのだった。
「だってね」
「首のネックレスを見るとね」 
 ワイダは実際に彼女、マルガリータ=マイローニスを見て言った。
「わかったよ」
「この国で民族衣装を着てね」
「首にネックレスがあれば何か」
「それはプレゼントだからね」
「そう、彼氏からのね」
「流石にすぐにわかったみたいだね」
「だってポーランドとリトアニアの仲だよ」
 それならというのだ。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ