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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
第8話(序章終了)
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いるけど……その真価は”戦術リンク”――――先程君達が体験した現象にある。」

「”戦術リンク”……」

「さっき、みんながそれぞれ繋がっていたような感覚……」

サラ教官の説明を聞いたアリサとエリオットはそれぞれ呆けた様子で戦術オーブメントを見つめた。



「ええ、例えば戦場においてそれがもたらす恩恵は絶大よ。どんな状況下でもお互いの行動を把握できて最大限に連携できる精鋭部隊……仮にそんな部隊が成立すればあらゆる作戦行動が可能になる。まさに戦場における”革命”と言ってもいいわね。」

「ふむ、確かに。」

「理想的だね。」

サラ教官の話にラウラとフィーはそれぞれ納得した様子で頷き

「―――だが、欠陥もある。」

「欠陥、ですか?」

レオンハルト教官が呟いた言葉を聞いたリィンは首を傾げた。



「現在エプスタイン財団が新開発を終え、軍や遊撃士協会等に提供している戦術オーブメント―――”ENIGMA(エニグマ)U”と比べると個人の適性差が激しい。」

「個人の適性差………それはもしかして人によっては使えないという事ですか?」

レオンハルト教官の説明を聞いて考え込んだ後何かに気付いたツーヤは尋ね、ツーヤの質問にサラ教官は頷いて答えた。

「その通りよ。現時点で、ARCUSは個人的な適性に差があってね。新入生の中で、君達は特に高い適性を示したのよ。それが身分や出身に関わらず君達が選ばれた理由でもあるわ。」

「………なるほど。」

「な、なんて偶然だ……」

サラ教官の口から出た驚愕の事実にガイウスは冷静な様子で頷き、マキアスは信じられない表情をした。



「さて――――約束どおり、文句の方を受け付けてあげる。トールズ士官学院はこのARCUSの適合者として君達11名を見出した。でも、やる気のない者や気の進まない者に参加させるほど予算的な余裕があるわけじゃないわ。それと、本来所属するクラスよりもハードなカリキュラムになるはずよ。それを覚悟してもらった上で”Z組”に参加するかどうか――――改めて聞かせてもらいましょうか?」

サラ教官に見回されたリィン達はすぐには答えを用意できず、互いの顔を見合わせた。

「あ、ちなみに辞退したら本来所属するはずだったクラスに行ってもらうことになるわ。貴族、皇族出身ならT組かU組、それ以外ならV〜X組になるわね。今だったらまだ初日だし、そのまま溶け込めると思うわよ〜?」

「…………………」

サラ教官の忠告を聞き、全員が考え込んでいる中リィンは目を伏せて幼い頃のある出来事を思い出した後決意の表情で一歩前に出て宣言した。



「リィン・シュバルツァー。――――参加させてもらいます。」
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