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マルシュキニアイ
第二章
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「じゃあパブにも行こうか」
「僕の行きつけのその店のだね」
「今回は観光に来たんだ」
 仕事ではなく、というのだ。
「それならね」
「楽しむべきだね」
「仕事に来た時も楽しむものは楽しむけれどね」
 無論仕事の後でだ。
「それでもね」
「うん、完全に観光ならね」
「とことん楽しもうか」
「そうしよう、是非ね」
「心おきなくね」
 こうしたことを二人で話しながらリガの街を歩いていた、リガの街は祭典に向けて実に賑やかな状況になっている。
 その賑わいを見てだ、二人はワイダの馴染みの喫茶店に入った。街の大通りに面したその店に入ってだった。
 ワイダは店のウェイターにだ、店の外の席にマリノフスキと一緒に座ってから暫くしてこんなことを言われた。
「今回は観光ですか」
「うん、実はね」
「やっぱり祭典目的で」
「そうなんだ、有給取って来たよ」
「それは何よりです、では今回もじっくり楽しんで下さいね」
「それじゃあね」
「君はこのお兄さんとも馴染みか」
 マリノフスキはワイダとウェイターのやり取りを聞いて彼に問うた。
「そうなのかい」
「そうだよ、リガに来たらこのお店にも絶対に来てるからね」
「それで私も知り合いになりました」 
 ウェイターの方も笑顔でだ、マリノフスキに応える。
「ワイダさんと」
「名前も知ってるんだね」
「はい、ポーランドの方はよく来られますから」
「だからだね」
「そうなんです、ワイダさん以外にも知り合いの方はいますよ」
「やっぱり我が国とリトアニアは縁が深いね」
「同じ国でしたしね」
 ウェイターもこのことを言う。
「我が国とポーランドは」
「そして今はパートナー同士」
「ですからね」
「こうして顔馴染み同士だったりする」
「そういうことです」
「じゃあ僕もこれからはね」
 マリノフスキはウェイターにあらためて言った。
「この店にもお邪魔しようか」
「リガに来られた時は」
「そうしていいかな」
「勿論ですよ」
 ウェイターはマリノフスキの問いに笑顔で答えた。
「そうしてもらってこそですよ」
「喫茶店だね」
「はい、商売が成り立ちますから」
「そういうことだね」
「それで今回のお祭りですけれど」 
 ウェイターも祭典のことを話す。
「今回特にです」
「特に?」
「派手になりそうなんですよ」
「おや、そうなのか」
「はい、参加者も多くて楽団もです」
「多いんだ」
「特に女の子の参加が多くて」
 こうマリノフスキに話すのだった。
「そのこともあって」
「それでなのか」
「いい娘が一杯参加するみたいですよ」
「そうか、それはいいね」
「お二人共楽しまれますね」
「そこまで聞いたらね」
「僕もだよ」 
 マリノフスキだけで
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