外伝〜黒翼の少女〜前篇
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人は?」
ガイはシスターの答えを聞き、もう一人の少女を治せる人物を聞いた。
「もう一人の方は私達とは違う神を信仰している方です。どちらかというとティア様よりその方がここ、ゼムリア大陸では知られていますね。……名前はペテレーネ・セラ様です。あの方は信仰する神は違いますが、他者を労わる気持ちは私達と同じだと思いますのできっと力になってくれると思います。」
「”闇の聖女”ですか……確かに彼女なら可能かもしれませんが……」
医師はもう一人の名前を聞き、たった一人の少女のために宗教の頂点に立っているであろう人物を呼び出せるのかわからず唸った。
「……その人でもこの少女を治せるんですね?」
しばらくの間考えたガイはシスターに確認した。
「ええ。どちらかというと闇側の神を信仰している彼女のほうが治しやすいと思います。私達ができるのは光の加護で”祓う”ことなのでどうしてもその際、少女に苦痛を与えてしまうのですが、彼女なら少女に苦痛を与えず治せる方法を知っていると思いますし、神格者なのでティア様以上に強大な魔力を持っていますから大丈夫だと思われます。」
「そうですか……すみません!俺、急用が出来たので失礼します!」
「ちょっと待ちな、ガイさん!?」
シスターの話を聞いたガイはマーサの呼び止める声が聞こえる前に、病室を出て急いで警察署内にある自分の所属課の部屋に向かった。
「セルゲイさん、有給を使わしてくれ!」
ガイは警察署の自分達の所属課の部屋に入るなり言った。
「いきなりなんだ、ガイ。理由を言ってみろ。」
ガイの突然の言動に驚いたセルゲイはガイに聞いた。
そしてガイは今も目覚めない少女のためにペテレーネに治してもらうため、急遽リベールへ行くために休暇を取る事を言った。
「……今は例の事件の報告を纏めているだけだから休暇はいいんだがガイ、お前が会おうとしている人物は俺達みたいな身分のない奴がそうそう会えるとは思えない人物とわかっているのか?」
「大丈夫です、なんとかしてみます!すみません、急ぐのでこれで失礼します!」
「おい、ガイ!」
セルゲイの制止の声を聞かずガイは部屋を出て行った。
そして後に残されたセルゲイとガイの同僚のアリオスはガイが出て行った扉をしばらく黙って見た後、アリオスが口を開いた。
「……いいんですか、セルゲイさん。」
「いいも何も本人がいなきゃ俺達がグダグダ言っても無駄だろう……」
セルゲイは一言嘆いた後、溜息をついた。
「それよりわかってんのかね、あいつは。闇の聖女に会うのがどれほど難しいか。」
「……というと?」
「闇の聖女はアーライナ教のトップでさまざまな強力な魔術を使う術者として有名で忘れがちだが、メンフィル皇帝の側室でもあるんだから皇族でもあるんだぜ。そんな
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