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世界をめぐる、銀白の翼
第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
タユタマ 〜願いの翼〜
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次の日、ましろたちが学校に行っている間、蒔風は掃除、洗濯と家事をこなしていた。

「泊めてもらってなんもしないのは嫌だからな」

そうやって,
午前の時間は瞬く間に過ぎていく。

何もない日常など、そんなものである。




裕理の父、裕導はなにやら集会やらで今日は家にはいないらしい。
ちなみに裕理たちが出かけたあとに、なにか気付いていたのか、裕導に詰め寄られてすべてを話してしまっている。

しかも「そうかい」の一言で信じてくれているのだから、ただ者ではない。





蒔風が神社の境内を掃いていると、応龍がやってきた。


「お前、いちいちそんなところまでやんのか?」

「んん〜?」

蒔風はいま、境内に敷かれている石畳の隙間の小石をとっていた。

「暇なんだもん」

「だからってやるかよ」

「お前もアメリんちの池ん中に住んでんだろ?そんくらいの掃除はするだろうよ」

「あんなもん仮住まいだ。いつか出てってやる」

「それでも今は住んでんだから、それくらいしなさい」

「うっせぇよ。そんな話しにきたんじゃねぇしよ」

「?」

「なぁ、お前の言う「奴」ってのは、お前と同じくらい強いのか?」

「オレは最強だ。あんな奴たいしたことない・・・と言いたいが、「奴」とオレの力の総量は同じだし、正直各世界での協力がなけりゃ勝ち続けらんないと思う」

「じゃあ「奴」ってのがこの世界のなにかを利用することは・・・」

「まぁあるな。今までもあったし」

「じゃあよ、この世界で利用されんのは・・・」

「太転依たちか?いやしかし裕理には退魔の霊能があるから意味ないだろ?」

「あいつの心配なんかしちゃいねぇよ。オレは太転依が利用されないかが気になんだよ」

「さいですか」

「なんだ、その目は・・・・ん?」

「どうした?」

「いや、なにか・・・」

「些細なことでも構わん。どうした?」

「太転依の・・・気とでもいうのか、なんか力が乱れてやがる」

「・・・確か太転依は命のエネルギーがそのまま形になった生命体だったな」

「そんなもんだが・・・」






「行くぞ応龍」

「あ?」

「「奴」だ!動いてやがる。手伝え!出来んなら結界頼めるか!」

「オレはそういうチマチマしたの苦手なんだよ。あのチビなら得意だ」

「チビ?」

「鵺だよ」

「じゃあ呼び出してくれ。急ぐぞ!」


蒔風も力の乱れを感じ取り、その方向に走り出す。
応龍も、鵺とましろにテレパシーで連絡しながら蒔風を追う。



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