第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
タユタマ 〜走る、止める、戦う〜
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かな?」
蒔風が意識すると、手の中で淡く何かが光り、そこに鉄扇が現れ出てきた。
「ハクオロさん、力借りますよっ。せいっ!」
パカァン!
蒔風がその鉄扇を開き、太転依の頭を面で叩く。
すると、キキュ!?と悲鳴を上げる猿。
反撃されるとは、まったく思ってなかったのだろう。
「これは帰してもらいましょ」
鉄扇を纏め、手の甲に当てる。
太転依はバナナを落とし、蒔風が拾う。
キィ!キ?キーキーキー!と、甲高い声を上げて太転依が騒ぐ。
どうやらバナナを奪われたことに怒っているらしい。
「こらこら、もの盗っちゃだめでしょー?」
蒔風が優しく諌める。
しかし、太転依は暴れ続けるのをやめない。
頭を一発叩いただけなので、さしたるダメージもないのだろう。
その場で跳ね、地面を叩き、猛烈に抗議する猿。
「いや、言わんとすることはわかるがね。都会でそういうのはしちゃいけんのよ?」
「ウキャァー!!」
聞いてくれない。
いや、これが当然の反応なのだろうが、だからと言ってこれではきりがない。
それに、このままではいずれ周りに被害がでるだろう。
と、
「やめろって。お前さんだって、バナナ一本で傷つきたくはないだろ?」
蒔風が、顕現させずに龍虎雀武、獅子天麟の気配を放って見せた。
するとその凄まじい気当たりに、太転依は暴れるのをやめ、萎縮しておとなしくなってしまう。
「よーしよしよし。おとなしくなったね」
蒔風が優しく猿を撫でる。
「あなた・・・・今何をしたのですか??」
「んん?」
振り返ると、そこには蒔風が見かけた二人がいた。
「オレ?あー、睨みつけただけだよ」
「本当に・・・ですか?」
「その声は・・・泉戸裕理?」
「あ、はい。泉戸裕理です」
「ほう・・・・ほうほうほうほう」
「な、なんですか?」
情報が来た。
彼が泉戸裕理。この世界の最主要人物だ。
「あなたが最主要人物ですか!!」
「はい?」
「あ、とりあえずこの子よろしくお願いします」
「は、はい。ましろ、よろしく」
「はい、ありがとうございます。それであなたは・・・・」
「ん?オレさん?まあ、正義の味方ってところかな。ある奴を追ってきてるんだが、ちょっとお話いいですか?」
「え?はい・・・・・」
自己紹介も簡単に済ませ、世界から与えられた情報を軽く整理しながら、蒔風が二人を促す。
そうして、三人はとりあえず立ち話もなんだと言うことで神社に戻っていった。
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