暁 〜小説投稿サイト〜
世界をめぐる、銀白の翼
第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
うたわれるもの 〜暗躍する者〜
[1/4]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

今、蒔風舜はエルルゥの乗ったウマを追いかけている。


しかし、森の中とはいえかなりの速度だ。
このウォプタルという動物の機動力は相当な者らしいが、それにしても速い。

それだけに、ハクオロという人の人望の大きさがわかるというものだが。



「・・・・・・(じ〜)」

彼等の少し後方を走る蒔風の顔が、少し居づらそうに苦い顔になる。


アルルゥがこっちを見ている。
ちなみに彼が追いかけている、ということは勝手な行動だ。


完全な部外者の蒔風は、まだ世界の説明もできていないし、連れてってくれ、とも言おうにもまだ信頼も何もないのだ。


結局はこうやってついてくしかない。

やだなぁ
ストーカーみたい。




ともかく、森の母とはすごいもので、こっそりつけてるはずの蒔風の方を何度かじ〜っ、と見ている。
多分アルルゥが乗っている大きな白い毛の虎、ムックルが感づいて教えてるのだろう。

さっきアルルゥに教えてもらったときに知ったのだが、ムックルは森の主(ムティカパ)と呼ばれる者で、小さな頃にアルルゥに拾われたらしい。


だからあんなに懐いてんだなぁ、と感心しながら、先に進む。




そう考え事をしながら走ってると、大きな都が見えてきた。
ここがこのトゥスクルの皇都らしい。


エルルゥたちがいかにも宮殿、みたいな建物に入って行く。

こうしている内にも「奴」が何するかわかったものではないため、蒔風は内部に侵入しようと周囲を見まわる。




「ふぅっ、土惺」

ボコッ

土惺の力を使い、地面に穴を開け、潜っていく。
城壁を越え、大きな木の根っこが見えたので、そこで地上にあがる。


「ふぅ〜い、よっこいしょういちっと。あ、よっこいしょういちって言っちゃった」


・・・・・・・バカなことやってないで行こう。
衛兵の監視をかい潜り、宮殿の中に入っていく。


「一番でかい部屋に行けば、いいのかな〜」


そうつぶやいて、蒔風は宮殿の中心を目指した。
実は蒔風という男は、派手な戦闘好きで得意な一方、一番の得意はこういう隠密行動なのだ。



エルルゥの声が聞こえる。

蒔風がいるのは天井の梁の上。なにやら話し合ってるらしい。



------------------------------------------------------------


接見の間
今ここにかつてのハクオロの仲間たちが集まっていた。

エルルゥとアルルゥ
ハクオロと義兄弟の契りを結び、旅に出ていたオボロとその舎弟のドリィ、グラァ
ハクオロの後を継ぎ、トゥスクルの皇であるベナウィ、その右腕のクロウ

[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ