第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
うたわれるもの 〜姉妹との出会い〜
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ういえばマイカゼさんってここじゃ見かけない感じの人ですよね?尻尾もないし・・・」
「尻尾?」
「ええ、尻尾」
ヒョイ、と身体を反らして彼女の背中に視線を向ける。
するとそこには、ゆっくりと左右に揺れる犬のようなシッポが。
どうやらこの世界の人間には動物のような耳、尻尾などが付いているらしい。
「そういえばさっきの子は?驚かせてしまったようだけど」
「あの子は私の妹でアルルゥといいます。人見知りが激しくて。アルルゥーー!!お客さんに挨拶しなさーい!!」
「別にいいですよ」
「でも・・・あ、アルルゥ」
そう話しているとアルルゥがこっちに近づいてきた。
おっかなびっくりだが、興味は持ってくれているらしい。
「はは、こんにちは、アルルゥ。俺は蒔風ってんだ。よろしく」
「・・・・ん、アルルゥ、です」
「はい、どうも、アルルゥ。んで、エルルゥさん。なんでまたわざわざオレを拾ってくれたんで?」
「私、薬師なんです。だから倒れてる人を見ると助けなきゃって・・・」
「なるほど・・・・んっ」
その時、蒔風に情報が流れ込んできた。
どうやらこのエルルゥ、アルルゥ姉妹は、最主要人物に一番近しい主要人物のようだ。
最主要人物の名はハクオロ。しかし名前だけでそれ以外の情報は入ってこなかった。
「えっと・・・・いきなりですみませんが、エルルゥさん」
オレは姿勢を正してエルルゥに訊く。
「ハクオロ、という人物に心当たりはありませんか?」
「ッ?」
「おとーさん?」
「そ、その人は・・・・」
「知ってるんですか?」
「え、ええ。知ってます。しかし、今はいません・・・」
「なぜですか?その人って何をしてる人なんですか?」
「ハクオロさんは・・・・この国の・・・トゥスクルの皇(オゥルォ)でした。」
「おぅるぉ?王様ってことか。しかし"だった"とは?」
「その後いろいろあって、ハクオロさんはいなくなってしまったんです」
「なるほど・・・しかし、その皇と親しいあなたがなぜ小さな村の薬師を?」
「私はハクオロさんの近くにいたかった。家族でしたから。だから、私は待ってるんです。この、私の居る場所で、ハクオロさんを」
「そう・・・ですか・・・」
「だいじょーぶ。おとーさん。帰ってくる」
「え?」
「と、言うと?」
「森が、言ってる・・・・」
「森が?」
「この子は『森の母(ヤーナマゥナ)』で、動物の意志とかを聞きとることができるんですよ。でも・・・アルルゥ、どういうこと?」
「わかんない。きゃっほーう」
そう言ってアルルゥがオ
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