暁 〜小説投稿サイト〜
世界をめぐる、銀白の翼
第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
うたわれるもの 〜姉妹との出会い〜
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ういえばマイカゼさんってここじゃ見かけない感じの人ですよね?尻尾もないし・・・」

「尻尾?」

「ええ、尻尾」


ヒョイ、と身体を反らして彼女の背中に視線を向ける。
するとそこには、ゆっくりと左右に揺れる犬のようなシッポが。

どうやらこの世界の人間には動物のような耳、尻尾などが付いているらしい。


「そういえばさっきの子は?驚かせてしまったようだけど」

「あの子は私の妹でアルルゥといいます。人見知りが激しくて。アルルゥーー!!お客さんに挨拶しなさーい!!」

「別にいいですよ」

「でも・・・あ、アルルゥ」


そう話しているとアルルゥがこっちに近づいてきた。
おっかなびっくりだが、興味は持ってくれているらしい。


「はは、こんにちは、アルルゥ。俺は蒔風ってんだ。よろしく」

「・・・・ん、アルルゥ、です」

「はい、どうも、アルルゥ。んで、エルルゥさん。なんでまたわざわざオレを拾ってくれたんで?」

「私、薬師なんです。だから倒れてる人を見ると助けなきゃって・・・」

「なるほど・・・・んっ」


その時、蒔風に情報が流れ込んできた。

どうやらこのエルルゥ、アルルゥ姉妹は、最主要人物に一番近しい主要人物のようだ。
最主要人物の名はハクオロ。しかし名前だけでそれ以外の情報は入ってこなかった。





「えっと・・・・いきなりですみませんが、エルルゥさん」

オレは姿勢を正してエルルゥに訊く。


「ハクオロ、という人物に心当たりはありませんか?」

「ッ?」

「おとーさん?」

「そ、その人は・・・・」

「知ってるんですか?」

「え、ええ。知ってます。しかし、今はいません・・・」

「なぜですか?その人って何をしてる人なんですか?」

「ハクオロさんは・・・・この国の・・・トゥスクルの皇(オゥルォ)でした。」

「おぅるぉ?王様ってことか。しかし"だった"とは?」

「その後いろいろあって、ハクオロさんはいなくなってしまったんです」

「なるほど・・・しかし、その皇と親しいあなたがなぜ小さな村の薬師を?」

「私はハクオロさんの近くにいたかった。家族でしたから。だから、私は待ってるんです。この、私の居る場所で、ハクオロさんを」

「そう・・・ですか・・・」

「だいじょーぶ。おとーさん。帰ってくる」

「え?」

「と、言うと?」

「森が、言ってる・・・・」

「森が?」

「この子は『森の母(ヤーナマゥナ)』で、動物の意志とかを聞きとることができるんですよ。でも・・・アルルゥ、どういうこと?」

「わかんない。きゃっほーう」


そう言ってアルルゥがオ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ