第二部
狩るということ
じゅうに
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呼ばれている、私たち人族は基より、亜人族とも魔物とも一線を画す存在がいるんです」
「つまり、いまこちらへ向かってきているのがそれだと?」
こちらへ向かっていると言った私に、彼女はギョッとしたような視線を送り、「やっぱり、そうなんですね……」と、絶望色に染まった声で呟く。
まあ、ドンマイ。
しかし、いったい何がそんなに脅威なのだろうか。様々な星を渡り歩いてきた私からしてみると、ただの面白生物の1匹にしか見えない。
硬い肉の方がよっぽど醜悪で、厄介な存在に感じてしまう私は、やはり毒されているのだろうか。
それに、私が降り立った星の1つに、珪素系生命体の住まう星があったのだが、あれもほとほとに厄介であった。
自らの体が機械であるわけだから、もう、その道のプロフェッショナルなのである。
奇襲、および罠を張り巡らせての一撃であれば、狩れないこともない存在であるが、それが通じるのは初見のみである。
当然彼らも学習し、対策を取ってくるのだが、その情報共有速度が尋常でない上に、情報量の多さから、最適かつ最も効率的な方法を持って対抗してくる。それは、寿命という概念が存在しないことによって、やることと言えば暇を潰すために様々な情報を蓄積していく、ということに繋がっており、何よりも彼らには“個”という概念自体、遥か昔に捨て去った存在であったのも起因している。
実は、彼ら――というのも変だが――からしてみれば私たち種族は既知の存在であり、私の狩りに『暇潰しで付き合っていた』という程度のものであった。
それもそうだ。
1体が機能を停止しても、彼らは1であり100である。ある意味究極の生命体の形の一つと言っても過言ではない。
結局、そんな彼らの理由も知れ、アホらしくなった私は、その星に数日滞在して友好を結んだ。
なので、彼らの技術を惜しみ無く詰め込んだ私専用の武具の数々があるのだが、どれもこれもとんでもない代物なので、そのほとんどを封印指定し、船内で厳重に保管している。
あ、そうだ。彼らにフォールド通信で船の修理を助けてもらおう。
うん、そうしよう。
餅は餅屋とはよく言ったものだ。
「き、きます!」
うん? なにが?
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