もう一つのプロローグ〜運命の出会い〜
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
〜半年後・ブライト家〜
「ねぇ、お母さん、お父さんまだ〜?」
「ギルドの連絡では今日帰ってくるそうだからもう少し待ってなさい。」
食事の準備をしているレナと食卓に座って自分の趣味の本を読んで待っているエステルは、父親の帰りを待っていた。
「レンは出張に行ったルーク兄に付いて行っちゃったし、シェラねぇは修行で王国一周旅行してるし………あー、つまんない。ゴハンの前にもういちど棒術の練習でもしよっかな。」
「もう、この娘ったら……少しはレンを見習って女の子らしい趣味を持てないのかしら?」
愛娘の趣味にレナは呆れた様子で溜息を吐いた。
「おーい、今帰ったぞ〜。」
「おとーさん!」
「お帰りなさい、あなた。」
毛布を抱えているカシウスが玄関を開けるとエステルとレナはそれぞれカシウスに近づいた。
「ただいま、エステル、レナ。待たせちまったようだな。エステルはいい子で留守番していたか?」
「ふふん、あったりまえよ☆とーさんの方も何もなかった?魔獣と戦ってケガしてない?」
「おお、ピンピンしてるぞ。それよりエステル。実はお前達にお土産があるんだ。」
「え、ホント!?釣りザオ?スニーカー?それとも棒術の道具とかっ?」
父からお土産がある事を聞かされたエステルは嬉しそうな表情で尋ねた。
「ハァ……一体どこで育て方を間違えたのかしら?」
「あのなぁエステル、レンのように何か女の子らしい物はほしくないのか?ぬいぐるみや服とかアクセサリーとか。」
娘の女の子らしくない答えを聞いて頭痛を感じたレナは疲れた表情で溜息を吐き、カシウスは呆れた様子で尋ねた。
「ぬいぐるみはレンがいつでも貸してくれるし、キレイな服は好きだけど汚しちゃうもん。アクセサリーも遊んでいたら壊れるからヤだし。それより、とーさん。その大きな毛布、どうしたの?ひょっとして、それがお土産?」
「お、鋭いな……よっと……」
「…………………」
カシウスが抱えている毛布の中身をみせるとそこには気を失った黒髪の少年が眠っていた。
「…………ふえっ?………………………」
「……え。…………………」
「まあ、こういうわけだ。割とハンサムな坊主だろう?」
親娘が呆けている中カシウスは笑顔で言った。
「な、な、な、なんなのー、この子!?」
その時我に返ったエステルが声を上げてカシウスを睨んだ。
「大きな声を出すなって。起こしちまうじゃないか。」
「起きちゃうって……この子、生きてるの?なんかグッタリしてるけど。」
「手当ては済ませたからもう命
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ