もう一つのプロローグ〜運命の出会い〜
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をしてるのか……」
一方カシウスの答えを聞いた少年は声を上げて反論しようとしたが
「こらっ!」
「あら。」
「グッ!?」
エステルの飛び蹴りによる衝撃を受けて口を閉じた。
「ケガ人のクセに大声出したりしないの!ケガにひびくでしょっ!」
「………………………だれ?」
自分を睨んで怒鳴る少女が誰なのかわからない少年は目を丸くして尋ねた。
「エステルよっ!エステル・ブライト!」
「俺の娘の一人だよ。お前さんと同じくらいの娘と、更にその下の娘がいるって話しただろう?」
「そういえば……って、そんな話をしてるんじゃ!」
カシウスの話を聞いて考え込んでいた少年だったがすぐに状況を思い出して反論しようとした。しかしその時エステルが少年に何度も飛び蹴りを命中させた。
「あたっ!?」
「おおきな声を出さないっ!ケガに響くでしょうが!」
「わ、わかったよ……でも君の行動のほうがよっぽどケガに響くんじゃ……」
「なんか言った〜〜?」
「いや、だから君の行動が……」
少年はエステルに反論しようとしていたが
「な・ん・か・言・っ・た〜〜〜?」
「なんでもないです……」
エステルの綺麗で凄みのある笑顔に圧されて口を閉じた。
「ま、この家の中では女性達には逆らわん方がいいぞ。こいつらが本気になったら俺達男共はかなわないからな。」
「そうみたいですね……」
カシウスの笑顔での忠告を聞いた少年は呆けた様子で呟き
「……あなた?その事について聞きたい事があるので、後でゆ・っ・く・りと話をしましょうね〜〜〜?」
「ハイ………」
レナに綺麗で凄みのある笑顔を向けられたカシウスは疲れた表情で肩を落とした。
「ところであんた。なんか忘れてることない?」
「え……?」
「名前よ、名前。あたしもさっき言ったでしょ。こっちだけが知らないのってくやしいし、不公平じゃない。」
「………あ…………………」
エステルが浮かべたまるで太陽のような笑顔を見た少年は呆けた後考え込んだ。
「まあ、道理だな。今更隠しても仕方あるまい。不便だし、聞かせてもらおうか?」
「…………わかり………ました………僕は………僕の名前は……………ヨシュアです……」
後にカシウスが突如連れ帰って来た少年――――ヨシュアはブライト家の一員となり、エステルやルーク達と共に暮らし始める事となった。
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