もう一つのプロローグ〜運命の出会い〜
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の危険はないはずだ。だが、とりあえずは……休ませる必要はありそうだな。ベッドに運ぶからレナはお湯を沸かしてくれ。エステルは飲み水の容易だ。」
「わかりました。」
「らじゃー!」
そしてカシウスは少年をベッドに寝かせた。
「よく寝てる……この子、あたしと同じくらいのトシだよね。こんな、真っ黒のカミ、あたしはじめて見るかも。」
エステルは初めて見る少年の容姿を興味深そうに見つめていた。
「確かに見事な黒髪だな。ちなみに瞳はアンバーだぞ。」
「ふーん。」
「………さてと。あなた、これは一体どういう事かしら?」
「うっ。」
微笑みを浮かべたレナに見つめられたカシウスは突如襲ってきた恐怖感によって身体を震わせながら大量の冷や汗をかき始めた。
「この子、ダレなの?なんでケガしてるの?どうしてとーさんがウチまで連れてきたの?ひょっとして隠し子?おかーさんを裏切ったの?」
レナの微笑みで身体を震わせているカシウスに追撃するかのようにエステルはカシウスを睨んで尋ねた。
「ふう、どこでそういう言葉を仕入れてくるんだか……」
「シェラちゃんよ。」
「まったくあの耳年増め……」
娘の口から出た予想外な言葉を教えた人物を思い浮かべたカシウスは呆れた様子で溜息を吐いた後説明をし始めた。
「この子は、父さんも仕事関係で知り合ったばかりだ。まだ名前も知らなかったりする。」
「仕事って、遊撃士の?」
「まあな。おっと――――」
身動きし始めた少年に気付いたカシウスは目を丸くした。
「えっ?」
「あら……」
「目を覚ますぞ。」
「ん……」
少年は琥珀色の瞳をゆっくりと開けた。
「わ、ほんとにコハク色……」
「………ここは……」
包帯を巻かれている少年は見覚えのない景色に戸惑った。
「坊主、目を覚ましたか。ここは俺の家だ。とりあえず安心していいぞ。」
「…………………どういうつもりです?」
「ふえっ?」
(何て冷たい目………一体どんな悲しい体験をしてきたのかしら……)
冷たい目でカシウスを見つめて尋ねる少年をエステルは首を傾げて見つめ、レナは不安そうな表情で少年を見つめていた。
「正気とは思えない……どうして……放っておいてくれなかったんだ。」
「どうしてって言われてもなぁ。いわゆる、成り行きってヤツ?」
責めるような視線で自分を見つめる少年にカシウスは場の雰囲気を明るくするかのように笑顔で答えた。
「ふ、ふざけないで!カシウス・ブライト!あなたは自分が何
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