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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
序章〜トールズ士官学院〜 第1話
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だな。)

そしてリィンも学院の敷地内へと入って行った。



「―――ご入学、おめでとーございます!」

するとその時少女の声が聞こえてきた後、緑の制服を着た小柄な少女が黄色の作業服を着ている太った青年と共にリィンに近づいた。

「うんうん、君が最後みたいね。リィン・シュバルツァー君、―――でいいんだよね?」

「は、はい。――――どうもはじめまして。しかし……どうして自分の名前を?」

少女に尋ねられたリィンは戸惑った様子で頷いた後尋ねた。

「えへへ……ちょっと事情があってね。今はあんまり気にしないで。」

「???」

「それが申請した品かい?いったん預からせてもらうよ。」

「ああ……案内書にあった通りですね。」

太った青年に言われたリィンは持っていた包みを青年に渡した。

「―――確かに。ちゃんと後で返されるとは思うから心配しないでくれ。」

「入学式はあちらの講堂であるからこのまま真っ直ぐどうぞ。あ、そうそう。”トールズ士官学院”へようこそ!」

「入学おめでとう。充実した2年間になるといいな。」

二人の言葉を受けたリィンは頭を軽く下げた後二人から去り

(一応、二人とも先輩なのかな?女子のほうはちょっと年上には見えなかったけど……しかし『俺が最後』と言ってたがどういうことなんだ……?)

二人からある程度離れるとリィンは二人を見つめて考え込んでいた。するとその時チャイムが鳴った。

(……そろそろ入学式の時間か。2年間の学院生活の始まりだ。気を引き締めて行こう。)

そしてリィンは講堂に向かい、入学式に参加した。

その後入学式が始まり、学院長であるヴァンダイクが新入生たちの前で演説をしていた。



〜トールズ士官学院・講堂〜



「―――最後に君達に一つの言葉を贈らせてもらおう。本学院が設立されたのはおよそ220年前のことである。創立者はかの”ドライケルス大帝”――――”獅子戦役”を終結させたエレボニア帝国、中興の祖である。―――即位から30年あまり。晩年の大帝は、帝都から程近いこの地に兵学や砲術を教える士官学院を開いた。近年、軍の機甲化と共に本学院の役割も大きく変わっており、軍以外の道に進む者も多くなったが……それでも、大帝が遺した”ある言葉”は今でも学院の理念として息づいておる。」

演説を続けていたヴァンダイクは大きく息を吸った後、両手を机について前に乗り出し

「『若者よ―――()(いしずえ)たれ。』”世”という言葉をどう捉えるのか。何をもって”礎”たる資格を持つのか。これから2年間で自分なりに考え、切磋琢磨する手がかりにして欲しい。―――ワシの方からは以上である。」


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