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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
異伝〜新たなる軌跡のプロローグ〜中篇
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リッヒ教官は混乱していた。

「本日はありがとうございました、リウイ陛下。お蔭様で滅多に見れないルーファス君達の驚いた顔を見ることができましたよ。」

ルーファス達と別れの挨拶を交わし、ペテレーネと共にリムジンに乗ったリウイにオリヴァルト皇子は口元に笑みを浮かべて話しかけ

「………相変わらず喰えない男だ。だがこちらとしても滅多に見れないものが見れた。”異変”の時……いや、あの時以上に俺自身の存在を露骨に利用した事については少々言いたい事があったが……今回の件で無しにしておいてやろう。」

「ありがとうございます。」

リウイに言われたオリヴァルト皇子は会釈をし

「……せいぜいこれ以上その皇子が奇行をしないように見張っておくのだな。でなければまたとんでもない奇行を仕出した挙句下手をすれば足元をすくわれるぞ、その皇子ならば。」

「ハッ!ご忠言、ありがたく受け取らせて頂きます!」

リウイの忠告にミュラー少佐は敬礼をして答えた。

「ペテレーネ。」

「はい。――――出して下さい。」

そしてリウイとペテレーネが乗ったリムジンはトールズ士官学院から去って行った。

「ね、ねえねえ、アンちゃん。今の人達ってあの”英雄王”と”闇の聖女”だよね?一体どうして常任理事の人達と一緒にいたんだろう…………?」

その様子を遠くから見ていた生徒会長のトワ・ハーシェルは大量の冷や汗をかいて表情を引き攣らせながらライダースーツを身に纏った女生徒―――アンゼリカ・ログナーに話しかけ

「フフ、常任理事達と一緒にいたという事は”Z組”とも何らかの形で関わってくる可能性は高そうだね。どうやら今年はトールズ士官学院始まって以来の面白い年になる気がしてきたよ。」

アンゼリカは静かな笑みを浮かべて答えた。



〜同時刻・屋上〜



「フフ……まさかかの姫君がこのエレボニアに訪れ……我が好敵手の導きによって”紫電(エクレール)”の君や”彼”と共に興味深い雛鳥達と新たなる物語を始めるとは……ハハハハハハッ!面白くなってきたな!ここでこんな素晴らしいゲストが加わるとは!」

同じ頃学院の屋上でリウイ達を乗せた車が去って行く様子を見守っていた白いマントを身に纏った仮面の男は口元に笑みを浮かべた後大声で笑い

「”幻焔計画”………私の予想以上に楽しめそうだよ。」

静かな笑みを浮かべて呟いた後ステッキを構えた。すると花びらが男の周囲に舞い、男は花びらと共に消えた…………!
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