第8話『初めての部活動』
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キーンコーンカーンコーン
「よっしゃ終わりだ! 晴登、部活行くぞ!」
「俺とお前は違う部活だろうが」
「まぁまぁ、それでもだよ」
下校のチャイムが鳴り響き、皆が急にソワソワとし始める。なぜなら、ついに今日から1年生の部活動が始まるからだ。
そのせいか、大地が異様に元気が良い。
「サッカー部ってどんなのだろう…!」
「結局サッカー部なんだな」
「当たり前だ! 俺はサッカー一筋だ!」
「はいはい」
恍惚とした表情でウキウキしている大地に口出ししてみるも、軽く弾かれてしまう。こいつそんなにサッカー好きだったのか、と思い直してしまう。
「ちょっと2人だけで行かないでよ?」
不意に横から聞き慣れた声が聞こえてくる。無論、俺たちに向けて。ふと横を見ると、少し寂しげな顔をする莉奈が居た。
「まず2人で行こうともしてねぇよ」
慰めようとした訳ではないが事実を莉奈に伝える。
するとまたいつもの笑顔に戻った。
「裏切ったのか晴登!?」
「知るか!」
だが今度は大地が訳のわからないことを言い始める。
おいおい、俺は一緒に行くとは一言も言ってないぞ?
そんな俺の想いは届かず、大地が一人芝居を続ける。
「はぁ…」
既に毎日が色々あって手一杯なのに、こんな茶番に付き合わされてたら俺の体は持たねぇぞ。無視してさっさと行こう。
「あ! ちょっと晴登待てよ!」
「置いてかないで〜」
後ろから大地と莉奈の声が聞こえるが無視無視!
「ふぅ…行ったか」
ようやく撒けた。
いや正確には、あいつらは部活に向かったってだけか。
大地はサッカー部だからグラウンド、莉奈は水泳部だからプールサイドか。
でもって俺が・・・
『魔術室』
別の校舎の1階にある、黒幕の掛かった怪しい教室の前に立っていた。
今となっては少し後悔してる。あの時つい興味が湧いてしまって、魔術部に勢いで入部申請してしまったのだ。
*
あの時──魔術部の紹介の時、俺は突然魔法陣の上に召喚され、困惑していた。
「え……!?」
「驚いたかね?」
驚いた、なんてレベルでは無い。究極に驚いている。
ツッコみどころが多すぎて困惑して、何も喋れなくなっている俺だが、状況だけは理解した。
この部がさっき使った魔法陣。あれは本物の魔術だ。
「これが我ら魔術部だ!」
「「「「………」」」」
あまりの出来事に生徒たちは全員声を失う。
そりゃそうだ。いきなりの衝撃が襲い、ようやく無くなったと思えば近くに居た奴がステージの上へと
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