第2話
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かける気はねーよ。」
「……………………………」
どことなく陰りのある笑顔を見せるルークにレナは何も言えず
「……君はこれからどうするつもりだい?」
目を伏せて考え込んでいたカシウスは目を見開いて目の前の罪深き”業”を背負う者であり”英雄”でもある青年に尋ねた。
「――――遊撃士、だっけ?それになって人助けをするつもりさ。傭兵に似た職業だけど国に縛られず、多くの人達を助けられる職業なんだろう?剣しか取り柄のない俺にはちょうどいい仕事だよ。」
「それも君が背負ったという”罪”を償う為か?」
「ああ。何も知ろうとせず、ただ師匠だけを信じていた馬鹿な俺のせいで死んだ人達の為にも、俺は俺が生きている限り一人でも多くの人達を助けなきゃならない。それが俺ができる唯一の”償い”であると同時に”義務”だ。」
「ルーク君……………」
「……………………」
何者にも消すことはできない熱き決意を持つ”英雄”をレナは辛そうな表情で見つめ、カシウスは目を閉じて黙り込んでいた。
「ふむ…………――――ルーク君。うちの子にならんか?」
そして目を閉じて考え込んでいたカシウスは目を見開いて驚愕の提案をし
「ハ……?」
「まあ!それはいい考えね、あなた。」
突然の提案にルークは目を丸くし、レナは嬉しそうな表情で手をパンと叩いて頷いた。
「ちょ、ちょっと待ってくれ!?何でいきなりそんな事を!?」
一方我に返ったルークは慌てた様子で尋ね
「子供を持つ一人の親として君をほおっておけないからだ。第一、話を聞く限り、君の実年齢は7歳じゃないか。うちの娘と大して変わらない年齢の子供をほおってはおけんよ。」
「いや、確かに実年齢で換算したら7歳だけどよ……そういう問題か?それ以前に俺は”レプリカ”だぞ。」
カシウスの話を聞き、表情を引き攣らせた後真剣な表情で2人を見つめて言った。
「―――君は立派な一人の”人間”だ。そんなことを言ってはいけない。」
「そうよ。それに私達はルーク君の言う”オリジナル”?だったかしら。その人の事は知らないし、この世界にはルーク君しかいないのでしょう?だったらルーク君もこのゼムリア大陸に生きる立派な”人間”よ。」
「……………あ、ありがとう……………その………これから、よろしく………”父さん”、”母さん”…………」
”偽物の存在”と知っていながらも”本物の人間”として言った親友ガイ・セシルと自分にとって初恋の少女であるティア・グランツと同じ言葉を口にした心優しき夫婦に心を打たれたルークは一筋の涙を流しながら頭を下げた。
「ああ。よろしくな、ル
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